ダイエットクラスブログ

風邪を引いたら何食べる?

2014年12月22日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

あけましておめでとうございます。

今年もメルマガ「あしたの健康」で皆様の健康に役立つ情報をどんどんお送りしていきたいと存じます。

どうぞご愛読いただけますようお願い申し上げます。

さて、体調を狂わせる身近な病気が「風邪」。そんなときに「薬に頼りたくない!」と考える人も少なくありません。

そこで、今回は「風邪にこれが効く」とされている食品や食べ方、利用方法について取り上げていきたいと思います。

まず、最初に思い浮かぶのが『卵酒』ではないでしょうか?

これは「卵を食べる」という意味で正解です。お酒の効果があり、体を温めますが、少量であってもアルコールが入っているので未成年にはNGです。

卵の白身には「塩化リゾチーム」が含まれていて、これは風邪薬にも含まれている成分です。

様々なWEBサイトで白身に含まれる塩化リゾチームが含有していることで風邪に効果があるとしている情報が数多くあります。

しかしながら、詳しく調べた範囲では、この成分についてはハッキリしない事柄が色々ありました。(薬事法に抵触する部分なので書けません)

私としては、白身にある塩化リゾチームの風邪の症状に対する効果に関しては期待しないほうが良いのではないか?と考えています。

しかし、卵は良質なタンパク質源で、ビタミン・ミネラル類も豊富。

タンパク質は免疫細胞の材料になり、ビタミン・ミネラル類は体調を整える効果があります。アレルギーがない限り、風邪にうってつけの食品です。

次に有名なのが「ネギを首に巻く」。

作り方は、のどに白ねぎを適当な長さ(10cmぐらい)に切り、縦に筋を入れるように切り込、ネギを開けるような状態にします。これを弱火で軽く表面に焦げめがつき、水分が出てきたら、ガーゼやハンカチの上に並べて広げ、そのまま包み込み、暖かいうちに首に巻きます。

のどに巻くというのは、直接のどに働きかけるというよりも、口や鼻に近い部分に焼いたネギの成分を呼吸とともに取り込んで、結果としてのどを守る、と考えたほうが良さそうです。

さて、このネギ。「薬味」はネギを薬として食べたことが語源になっているという説があるほど、薬効に富んだ食品とされています。

このネギに多く含まれるアリシンが殺菌作用と風邪の予防と改善に働きます。アリシンは揮発性(空気中に蒸発する性質)で、切るとドンドン成分が空気中にでてきます。(特有のネギ臭はこのためです)

これが「首に巻く」という発想につながったのではないでしょうか?

しかし、このアリシンは熱に弱いのです。でも、焼いて(加熱して)しんなりさせないと首には巻けません。

なので「焼いて首に巻く」は、「う~ん、惜しい!」というところでしょうか。

そして、市販飲料としてもブームな「生姜(しょうが)湯(生姜入りドリンク)」。

生姜には、ショウガオールという特有のポリフェノール類の一種であり、香り成分が豊富に含まれています。

これが、強力な抗菌、殺菌作用があるとされています。しかも、辛み成分であるジンゲロン類にはエネルギーの代謝を盛んにします。

このことから、代謝を高める→体温が上がる→免疫力アップというように考えられているのではないでしょうか。(体温が上がる→冷え性に効果的、とも考えられています)

代表的な3つの民間療法をご紹介しましたが、今回、ほとんどの解説を疑問系にしています。

というのも、あくまで「民間療法」なので、「誰にでも良い効果があると認められる」といった科学的根拠が乏しく、私が推測しているからです。

ほかにもさまざまな民間療法がありますが、どんな方法にも個人差があります。

体調が弱っているときに、直感的に「これは無理」と感じる方法がありますので、勧められても無理にやらないことが大切です。

ところで、風邪だけではなく、滋養強壮に効果があるとされている食品の1つに「ニンニク」があります。

ニンニクには、ネギに含まれるアリシンのほか、硫化アリル(特有臭の成分)とビタミンB1を同時に含んでいるので疲労回復に役立ちます。

硫化アリルはすり下ろしたり、刻むと出来る成分なので薬味や炒め料理などに少し(1日1片程度)使うのがおすすめです。

ところが、この「ニンニク臭」は好き嫌いが分かれるところ。しかしながらニンニクをサプリメントにしたものや無臭ニンニクの場合には効果に疑問がでてきます。無理をして食べる必要はありません。

地方のお土産で「ニンニクのしょうゆ漬け」や「にんにく肉味噌」などがありますが、これらを使うと

1)にんにくの食べ過ぎになりやすい
2)食べ過ぎによる不調(胃腸の荒れ、下痢、強い口臭)
3)付着したしょうゆやみそによる塩分のとりすぎ

ということが起きてしまいます。

風邪は万病の元と言われることからも、侮ってはいけません。

しかし、管理栄養士の立場からすると特別視をして、「これを食べないと!」と頑張る必要はなさそうではないか、と考えています。