ダイエットクラスブログ

なぜか美味しいコンビニおにぎりの謎

2016年01月16日

暑い日が続くと「お米のご飯がのどをとおりにくくなる」という現象がおきます。そこで、外食ではお好み焼きやパスタ料理、冷たい麺などが人気になり、これらの売り上げが上がるそうです。

もちろん暑い国の料理であるカレーは食欲を増進する効果があります。米を使った料理としては辛みが助けとなって例外的に人気が高くなっています。

このため、ご飯が中心の丼物のチェーン店などではピリ辛味などのメニューを追加して暑い時期の客足の流れを食い止めようとしているのです。

このように、暑い時期に敬遠されがちなお米ですが、食べやすさで人気が落ちにくいのがコンビニのおにぎりです。

コンビニのおにぎりには家庭でのものとは違うおいしさの秘密がいくつか隠されているのです。そのなかで代表的な秘密をご紹介します。

1)「冷たい」という温度

本来は食中毒菌を繁殖させないための冷蔵保存です。しかし暑い時期、あるいは寒い時期でも暖房の効いている場所であればあっさりと食べることができます

しかしご飯は冷たくなると固くなり、ポロポロになります。特に冷蔵庫に相当する温度にあたると食感、味ともに急降下して落ちてしまいます。

冷たくなったご飯をそのまま食べても美味しくないですよね。これは、ご飯に含まれるでんぷんの「老化」と呼ばれる現象のためです。

このことから、家庭では炊飯器の保温モードで保存する、もしくは冷凍してしまうほうがおいしさを保てるのです。

一方、コンビニのおにぎりのおいしさを引き出す最大の理由は、老化を防止する働きをもつ物質が多種多様に見い出されて、炊きあがりから老化を抑える成分によって冷めても美味しさが保てるように製造されているのです。

2)海苔の食感

コンビニおにぎりで人気上位を独占しているのが海苔が別包装になっている「手巻き」タイプです。

ご飯の水分から守られているために湿気を帯びず、食べる時にパリパリの食感を産んでいます。(家庭で再現している包材も販売されていますが割高でかなり手間がかかります)

ところで、おにぎりに使う海苔は焼き海苔です。味付け海苔に比べて食感が固く海苔に使われている調味料(味付け)による水分も無いために、一層パリッとしています。

しかし、関西地方ではおにぎりに使う海苔は味付け海苔が中心という文化があります。全国的に海苔売り場の割合は、焼き海苔8割、味付け海苔2割といわれています。

ですが、関西地方、特に大阪府近郊では焼き海苔2割、味付け海苔8割とされています。これほど味付け海苔が人気なのです。

そこで、あるコンビニチェーン店が、大阪府内に「味付け海苔」使用のおにぎりを置いたところ2割程度売り上げがアップしたそうです。

3)美味しい塩梅(塩分量)

コンビニおにぎりの食品表示をみると「塩飯」「調味料」という表示があります。つまり普通の「ごはん」ではないのです!

この塩飯は、炊きあがったご飯に塩を加えたもので塩味が絡みやすく、一粒一粒の周りに塩分が解け付着します。

このために、ほとんどすべての米粒の外周に塩分がまとわりついて美味しさを引き出しています。手のひらに軽く塩をする程度の家庭のおにぎりとは、明らかに塩味を感じ方が違い、うま味が強くなりのです。

このほか、ごはんが多少老化していたり、使用するお米が廉価品であっても塩味や具になる材料の味(塩分やうま味成分)でおいしさがぐんとアップしています。塩味が濃いほうが美味しく感じるからです。

平均的なコンビニのおにぎりの塩分量は調味料込みで1個あたり約1.1~1.4g、一方家庭で作るおにぎりは約0.9gです。

塩分は小数点以下1位まで表示されるように、わずかな差でも大きな違いがあります。健康効果だけでなく、味覚にも大きな影響を与えているのです。

さて、コンビニおにぎりの塩分としては解っても、食塩と調味料の割合は解りませんね。どのタイミングで何をどのくらいの割合で使うのか、という内容は各コンビニチェーン企業でもトップシークレットです。

おにぎりはコンビニの顔ですから、企業トップの数人しか知らないほどだそうです。

ところで、ごはんの冷蔵はおすすめできないと書いていますが、1つだけ良い料理方法があります。

ちらし寿司などに使う「すし飯」にすることです。

冷蔵したご飯(冷やご飯)を電子レンジであたためほかほかにしたご飯にすし酢を加えて混ぜると酢が均一に混ざりやすく美味しく仕上がるのです。

あくまでご飯に粘りけが少なくて美味しくなる「ちらし」「混ぜ」用なので「にぎり」「手巻き」には向いていないのでご注意くださいね。