ダイエットクラスブログ

食事の“食べ順”って本当にあるの?

2014年09月30日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

今回も、「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!

これからも皆様の「あしたの健康」にお役立ち出来る情報を、身近なテーマとして書いていきますので、ご期待ください!

今回はリクエストのありました「食事の食べ順」について解説していきます。

いろんなダイエット方法や健康法があるなかで、「料理の食べ順」について解説してある方法があります。

調べたところ、ほとんどが「食べ順ダイエット」としていて、野菜 → 主菜(肉や魚など) → 主食(ご飯など)という順序でした。

結論からいうと、これはホントです。

まず、野菜から食べ始めるのが大きなポイント。野菜は種類によりますが、基本的には水分と食物繊維、ビタミン・ミネラル類が多く含まれています。(野菜類には、きのこ類や海草類も含まれています)最初に食べるので、自然と不足しがちな野菜の量を確保しやすいメリットもあります。

ここで重要なのが「食べ始めに食物繊維を取っておく」ということです。

食事の際、糖質の多い主食(ご飯やパン、麺類)を先に食べると血糖値が急上昇してしまいます。

(血糖値とは、血液中のブドウ糖の量のことです。糖質は体内でブドウ糖に分解され、血液中を流れて細胞に運ばれてエネルギー源になります)

食物繊維には、食後の急激な血糖値の上昇をおさえ、後から入るご飯などの糖質の分解や吸収を遅くする働きがあるのです。

糖質は食後2時間でほぼ血糖に変化します。消化吸収が良い反面、体内では急上昇した血糖値を下げるホルモンが働いて血糖値が乱高下しやすくなります。

血糖値は食後に上がり、空腹時には下がりますが、緩やかなピークを迎え、一定の範囲で上下するのが健康上良いとされています。

なので、血糖値を急上昇させてしまうご飯は後回し、というのは食事方法としては合格なのです。

ただし、血糖値を上げるのはご飯類だけではありません。肉や魚に含まれるタンパク質や脂質も糖質ほどではありませんが、食後数時間で血糖値を上昇させます。しかし、糖質に比べてはるかに消化吸収に時間がかかります。そのため、ゆっくりとブドウ糖に変化するため、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。注)野菜の中でも、糖質の多いじゃがいも、かぼちゃ、さつまいもは後回しが良いですね。

もちろん、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることは、肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防に役立ちます。野菜から食べ始めることは食べ過ぎることを防ぐ効果があるために、自分にみあった適正な体重を維持しやすく、自然なダイエット方法といえます。

このほか脳の働きを安定させることもでき、仕事や勉強の効率をアップさせます。これについては拙著『頭が良くなる食事習慣』(電子書籍 キンドル版)こちらに詳しく解説してあります。

野菜、肉や魚、ご飯類、これらすべては体の健康維持に欠かせない成分です。

食事とは、様々な食品の組み合わせから成り立ち、それぞれの栄養成分を補完し合って健康を維持しています。つまり、血糖値の上下にだけ注目して食事をコントロールするのは現実的ではありません。すべては「量」の問題なのです。

糖質を制限するようなダイエット方法が流行していますが、私のもとには上手く体重が落とせずに相談に来られる方が数多くいらっしゃいます。

糖質を控えることばかりに注意を向けると、タンパク質や脂質の食べ過ぎや動脈硬化や脂質異常症(高脂血症)を促進させてしまうリスクがあり、まだまだ方法論や安全性が確保されていません。

一時の体重の上下にとらわれず、一生の健康を考えてみましょう。