ダイエットクラスブログ

花粉症といろいろなお茶

2016年01月06日

今回は、巷で注目されている『花粉症に効くお茶』について、調べてみました。

取り上げるお茶は、平成12年度厚生労働省の研究班による花粉症に関する調査で浮かび上がってきたお茶類です。

平成12年度という古いデータを持ってきているのは、これが最新版だからです。

国民病といわれる花粉症なのに10年以上再調査はされていないようですね。

甜茶(てんちゃ)

花粉症といえば、というぐらい有名です。

甜茶は中国茶の一種であり、 「甜」の文字は「甘い」を意味しています。

バラ科の甜茶は中国南部地方の広西荘(こうせいチワン)族自治区に自生しています。

上記調査でも注目されている甜茶ですが、患者自身による効果の実感結果は、効果を実感できた人は少数で14%です。

このほか、厚生労働省の花粉症Q&A集(平成22年度)によると、

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甜茶ポリフェノールはアレルギーで生じるヒスタミンの作用を和らげる効果があると言われますが、実際の患者さんでの効果は不明です。

******************引用ここまで

と記述されています。

そして、独立行政法人国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報によると、甜茶エキスや抽出物と花粉症患者との関連を調べた研究報告がいくつかありました。

しかし、ここでも有効性はデータ不十分とされています。

各研究での甜茶の摂取量はバラバラですが、4週間以上の摂取をしていますので、試すなら連続1ヶ月以上の飲用がおすすめです。

シジウム茶

シジウム茶とは、南アメリカの熱帯地方のシジウムという植物の葉から作ったお茶のことです。別名「グァバ茶」とも呼ばれています。

上記調査によると、「効果有り40% 効果無し40%不明 20%」という結果でした。

これは、効果を実感できた人とそうでない人とで、真っ向から割れている結果です。

調査のなかでは、最も効果が実感されているシジウム茶ですが、それでも半分以下です。

よって、「効果が実感できる」と判断するのは難しいですね。医学的根拠も認められていません。

ドクダミ茶・センナ

ドクダミは別名センナと呼ばれています。ドクダミ茶は、ドクダミの葉を乾燥させてお茶にしたものです。

センナは薬事法により、果実・小葉・葉柄・葉軸は【医薬品】扱いです。

しかし、茎は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に収録され、【医薬品ではありません】。

このため、「ドクダミ茶」をはじめ、葉を使ったものは医薬品が取り扱える薬局やドラッグストアでの販売になり、コンビニなどでは販売できません。

しかし、ドクダミ入りのダイエットや美容、健康をイメージさせるようなドリンク類がスーパーやコンビニで販売されています。

これは、「茎」を使っているため、医薬品でない=食品という扱いになるので、流通させても問題がないのです。

しかし、これらは医薬品にはならないものですから、ドクダミ入り飲料といっても効果は期待出来るものではありません。

ドクダミ茶は、マスコミ、インターネット上で花粉症の症状を緩和する効果があると取り上げられていますが、花粉症に関しては科学的根拠がありません。

ギムネマ茶

このお茶は、インド原産のギムネマ・シルベスタというガガイモ科のつる性植物の葉を乾燥して作られています。

正式名称は「ギムネマ・シルベスタ」ですが、日本では略して呼ばれているのです。

ギムネマの葉も、センナの茎を同じ扱いで、食品です。ですので、薬のような効果は期待できません。

面白いことに、ギムネマの葉は口に入れて噛むと、甘さを全く感じなくなるという性質をもっています。

このことから、甘い物への食欲を減退させる効果があるとされています。

そのため、ダイエットや血糖値対策の健康食品として有名なお茶ですが、科学的根拠はありません。

べにふうき茶

現在、花粉症対策のお茶として最も注目されている茶葉です。

日本の「べにほまれ」を改良した紅茶用の品種で、緑茶として飲むとやや渋味が強く感じられます。

この渋味成分である「メチル化カテキン」が花粉症の症状緩和に役立つことが独立行政法人農研機構野菜茶業研究所を中心にしたヒトでの研究で、一定の効果が認められたのです。

べにふうき茶は、ほかの茶葉に比べてメチル化カテキンが豊富であるため、今後の研究に期待がかかっています。

さて、このメチル化カテキンがサプリメントとして販売されています。調べてみたところ、サプリメントとして取り入れた場合の効果については不明でした。利用して症状が改善するというのは過剰期待といえます。

さて、今回は「花粉症に効くお茶」についてみて来ましたが、いかがでしょうか?

花粉症対策として患者の皆さんに愛飲されているお茶類はほとんどが医学的に有用とは認められていませんでした。

がっかりしてしまう結果ですね。

その中で、べにふうき茶に関しては有望な研究があり、産官学で研究が進められています。

興味がある方は、農研機構野菜茶業研究所の「べにふうき茶」のページに詳細がありますので、ぜひご覧になってくださいね。

このほかのお茶類でも、効果を実感できる場合があります。※効果効能には個人差があります。

気になるお茶がありましたら、実際に飲んでみるのも良いでしょう。

その際は、最低でも1ヶ月は続けてみて下さいね。

ただし、価格には注意を払ってください。これらのお茶類は「相場があってないようなもの」なので、高額だから効果的とは言えません。

さらに、これらのお茶類は食品といえども副作用がないとは言えません。

飲み始めてから起きた胃の不快感を始め、体調にマイナスの変化があれば即座に中止する勇気も必要です。

体調を崩すのは、あなたのカラダに合っていない証拠です。

決して「効果がでるまで」「1ヶ月ぐらいは」とガマンしないで下さいね。

このほか、花粉症予防という意味でもは、シーズン前に飲み始めるのが良いですね。