こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。
今号のテーマは「残業やハードワークを乗り切る体力をどうやってつけるか」についてのご質問です。さらには、女性が男性と一緒に仕事をしていても同じようにやり遂げられるにはどうすれば良いかもお伝えします。
「忙しい時期」を乗り切るには「体力」と「気力」、つまり、 1)体の疲労を残さず元気であり続けること 2)精神的に前向きで集中力が下がらない状態
この2つの状態作るのが重要です。
この2つには睡眠による「体と心の疲労回復」が十分なされてなければ実現することはできません。
体力と気力は連動しています。
体が元気であれば気力も充実しやすく仕事もスムーズです。気力が高いと少々の無理も乗り越えて達成感を味わうことがでるでしょう。
しかし体力が落ちた状態というのは疲労困憊している状態。そうなると脳も疲れているのです。体の疲労感に引きずらて気持ちも下向きになります。
逆に気持ちが落ち込んでいるとやる気がわきません。やる気がでないと、体もだるくなり出勤すら足が重くなります。
そこで体力、気力とも疲れを回復するのが睡眠です。
体力と気力の充実には「これを食べればOK」というような明快な食品がありません。
そこでまず「睡眠」の重要性をシッカリ知っておきましょう
どれだけ忙しくても最低6時間は睡眠時間をとりたいもの。うつ病へのリスクが高まってしまいます。
本来なら7時間は確保しておきたいのですが、多忙な人に少し譲って6時間としています。
ある研究データでは5日間連続で睡眠時間を5時間以下に制限したところ、認知能力が48時間連続で眠らなかった人と同程度まで低下した、というデータがあります。
5日間の5時間睡眠で、2日間完全徹夜と同程度に脳の認知能力は低下するのです!
2010年の「SLEEP」誌で発表された、ペンシルバニア州立大学睡眠研究治療センター所長のブゴンツァス博士の研究によると・・・。
20歳~100歳の男性から無作為に741人を選び(平均年齢50歳)、14年間フォローした結果。
その人たちの中で、睡眠時間6時間以上の人たちの死亡率は9.1%。
それに対して、睡眠時間6時間未満の死亡率は、51.1%。
おおざっぱにまとめると、睡眠時間が6時間未満の人の半分は平均64歳で死んでしまっていたのです。
睡眠時間を減らして仕事をしても寿命をすり減らすだけということがわかります。
本来の目的である「仕事をやりこなす」ためにも睡眠はとても重要なのです。
「だるい」「やる気が出ない」「集中できない」「朝の目覚めがつらい」「自分は怠け者なのではないか」というように感じ始めたら【貧血】が隠れている可能性大です。
うつ病と間違えやすい症状ですが、仕事への意欲があるのであれば貧血による体力・気力低下が考えられます。
特に女性は貧血になりやすいので要注意。ですが、貧血はやせ気味、偏食のある男性にも多くみられるので油断は禁物です。
女性が男性と肩を並べて仕事をするためには貧血は必ず解消しておきたいものです。
貧血であるかどうかは、 ・健康診断(採血) ・献血、をすることでわかります。
ほかにも、 ・目の下まぶたを引っ張って色が白っぽくなっている ・季節に関係なく氷をボリボリ食べたくなる、という状態であれば貧血の疑いがあります。
貧血というと「鉄」や「レバー」を連想することが多いですね。もちろん鉄は重要な栄養素。レバー以外にも、あさり、かつお、いわし、牡蠣も豊富で牛肉や卵もおすすめです。ほうれん草やひじきも鉄は多いのですが吸収効率が悪いのです。野菜や海藻類よりもタンパク質と一緒に入ってくる鉄(ヘム鉄)がベスト。
鉄不足が気になる、貧血なのかはっきりしない時に手軽に利用できるのが鉄のサプリメントです。
本来、鉄というのは体に非常に重要な栄養素なので体の中で3カ所に分散してため込まれています。
例えるなら、外堀、内堀、天守閣というイメージです。
採血や献血でチェックしているは天守閣の部分。なので、検査でわかった鉄不足は「あなたの鉄はスッカラカン!」という状態なのです。
なので、鉄のサプリメントで補っている場合でないが本当。
どうしても病院に行くまでの間つなぎや偏食などで鉄不足の底上げをしたい時だけ、鉄のサプリメントを使用しても良いかもしれません。ですが、おすすめはできないのです。
体の緊急事態なので、シッカリとした医薬品での治療を受けないといけないのです。
あくまで参考として、鉄のサプリメントを選ぶポイントは、 1)ヘム鉄であること(いろんな種類の鉄成分があるので成分表記を確認) 2)ビタミB6やビタミンB12、葉酸、ビタミンC、銅など。鉄以外の成分がブレンドされている(これらの成分は造血効果を高めます。上記すべてがブレンドされていなくてもOK)です。
体力があると気力は維持しやすいものです。このメルマガでは睡眠と食事についてご紹介しましたがそれだけでは解決しません。
体力づくりには「運動」が欠かせません。忙しくてもウォーキングをしたり、週1回程度に疲れる程度の運動をすることで体力維持ができることをお忘れなく。
*参考文献『精神科医が教えるぐっすり眠れる12の法則』 樺澤紫苑 Kindle版 シオン出版局 :『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』 ショーン・スティーブンソン (著), 花塚 恵 (翻訳) ダイヤモンド社
忙しい時こそ疲れてミスの連発、集中力を欠いて仕事に時間がかかる。それが残業につながって、さらなる忙しさを招いてしまいます。
そんな時こそ「一定の時間で仕事を終えて回復やリフレッシュをする」ことが大事だと思います。
私は仕事だけでなく、家事や育児もあるのでいつも「時間が足りない」と感じています。
そこでおすすめなのが『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)
著者は日本でのメールの第一人者である平野 友朗さん(一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事)。
なんでもメールでやりとりをする時代になって、いかにメールで仕事をスムーズに進めて無駄なメールの回数を減らせるか、そのうえで仕事の時間効率を上げていこうというノウハウが詰まっています。
もちろんメールのやりとり上でのトラブル回避など「相手との関係を円滑にする」手法が書かれています。
スッキリとしたメールで意図を正しく伝えるすべが実例を交えて網羅されていますが、その手法が本文にも活かされています。ですから非常に読みやすく理解が早い内容。お勧めの1冊です。