ダイエットクラスブログ

アルツハイマー病は食事で予防できる?

2016年02月29日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。今回も、メルマガ「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!

今号も皆様の「あしたの健康」にお役立ち出来る情報を、身近なテーマとして書いていきます。

みなさんは「寝たきり」「認知症」という言葉に不安を感じませんか?

誰しも「元気に年をとりたい」「ぼけたくない」と考えてはいませんでしょうか。

「ぼける」というのは認知症の症状の1つです。

認知症の症状は日常生活に支障をきたすものが多いのが特徴です。

物忘れや行き先がわからない外出、入浴や着替えなどが自分で出来なくなる、など症状が重いほど本人も家族も辛くなってしまいます。

しかし、徐々に認知症の予防に、食事が役立つことが明らかになってきました。

認知症は原因や症状で分類されますが、脳血管性認知症とアルツハイマー病は頻度が高く、食事を見直すことが予防に役立つという研究結果が集まりだしています。

どちらにも共通する予防法があり、重要なポイントをご紹介します。

脳血管性認知症は生活習慣病にかかっている人がなりやすいものです。

高血圧や脂質異常症、糖尿病やメタボなどのほか、心臓の病気も関係しています。

これらを防ぐための1番は「適切な体重」です。太りすぎでもなく、痩せすぎでもないという状態です。

2番目に重要なのが塩分です。

太りすぎの人は血管が硬くなりやすくい傾向にあります。また、それだけで血圧を上げてしまいます。

そこに塩分の取りすぎが重なると血圧を上げ、血管にダメージを与えてしまいます。

「太りすぎない」「塩分」、この2つは、生活習慣病だけでなく、アルツハイマー病予防でも同じです。

そして、「血液サラサラ」、「脳の機能を高める」効果があるとされる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」が豊富に含まれているのが青魚です。

青魚は、あじ、いわし、さば、さんま、ぶりなどです。

これらを週に2~3回食べることを意識することがすすめられています。

しかし、魚ばかりだけでなく、肉と魚を比べてやや魚が多い、という程度で偏らないようにしましょう。

そして最も注目されているのが「地中海式の食事」です。

これは、野菜、果物、種実、豆類、魚、オリーブオイルが豊富で、それに穀類、少量の赤ワインが加わり、肉類や乳製品が少ない食事のことです。

日本人なら穀類は1食ににつき、ごはんお茶碗1杯程度が目安です。

この地中海式食事は、脂肪のなかでも脂肪の種類のバランスが良く、食物繊維やビタミン・ミネラルがとりやすい食事内容です。

赤ワインに含まれるポリフェノールはアルツハイマー病予防に有効とされています。また、地中海式食事ではビタミンB6、B12、葉酸などが多く含まれています。

この地中海式食事は予防だけでなく、症状の悪化を遅らせることができるという報告もあります。

ただし、これらの研究は、日本人以外でのものです。日本人では、大規模な食生活研究から【和食に牛乳や乳製品を組み合わせた食事】が認知症予防に役立つだろうと考えられています。

食事内容以外で重要なのが、水分です。特に寝る前の水分は、脳血管性認知症の予防になります。

しかし、ここで飲む水分は、純粋な水や麦茶などのことです。

飲み物でも、アルコール飲料は逆効果です。飲み過ぎると脳血管性認知症やアルコール性認知症のリスクを高めます。地中海式食事では赤ワインが入っていますが、過信は禁物。赤ワインポリフェノールの健康効果を得るにしても、ワイングラス1杯程度にしておきましょう。

ところで、認知症予防に効果をイメージさせるサプリメントが販売されています。

例えば、イチョウの葉のエキスは海外では医薬品として認められていますが、日本では安全性とともに効果も確認できていません。

また、ビタミンEはサプリメントより食事からとることが重要とされています。

ビタミンEが豊富な食品は植物油やアボカド、かぼちゃ、モロヘイヤなどです。炒め油にひまわり油やサフラワー油を使うと手軽です(オリーブ油はビタミンEが突出して多い油ではありません)

このほか、鉄や銅のサプリメントはとりすぎるとアルツハイマー病のリスクが高まることが指摘されています。

過去に日本では「アルミ鍋を使うとアルツハイマー病になる」と噂されていたことがありました。

しかし、これは全くのデマでアルミ鍋とアルツハイマー病との関連はありません。厚生労働省でも因果関係を証明する根拠はないと発表していますので安心してお鍋を使ってください。

編集後記

今日はひな祭りですね。ひな祭りといえば、菱(ひし)餅やはまぐりのお吸い物などが風物詩ですが、現代では「ひなケーキ」に押され気味です。

なんとか頑張っているのが「ひなあられ」。あられは、菱餅を外でも食べられるようにと餅を加工したものなので、基本は、白、桃色、ヨモギ色の3色です。しかし、私が子供の頃にはすでにチョコレート味などが混じっていたので時代とともに変化していっているようです。

驚きなのが、私の育った関西では一口サイズの丸いころころしたあられですが関東では、米粒を膨らませたぽん菓子のような甘いお菓子なのです。

文化圏が違うとひなあられも違うのですね!