ダイエットクラスブログ

還暦の食事

2015年02月02日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

今号もリクエストのありました「還暦の食事」についてお届けいたします。

まず、還暦というのは、60歳のことです。

12種類の支(え)と十種類の干(と)が巡ってきたということで、大変な長寿である、という象徴であるのです。

例)馬(え) ひのえ(と) → ひのえ馬

古来からの風習には諸説がつきものですが、中国から伝わったとされています。

定着した頃の室町時代の平均寿命はわかりませんが、60歳は相当な長寿であったと考えられます。

またそこで、生命の源をあらわす「赤い色」の贈り物をするのが習慣として定着していったようです。

60歳というのは、現在社会ではまだまだ若い印象があります。はつらつと元気がみなぎる人が大勢います。

一方、定年退職など、人生の節目でもあり、生活環境がガラリと変わる年でもあるのです。

その中で大きく変わるのが2つ、生活習慣と食事内容です。

現代は会社員であることが多い社会です。通勤がなくなり、早朝の起床もなくなります。

仕事がなくなります。諸手続などでバタバタしていてもせいぜい1ヶ月程度で落ち着きます。

つまり、1日の生活のなかでの活動量ががくんと落ちるのです。

40歳代にはメタボ健診(特定健康診査)などで半ば強制的に(あるいはこれも無視する場合がありますが)声だかに「肉は控えましょう。

魚を中心に、野菜をたっぷり」と指導を受けていた人も多いはずです。マスコミでも連呼しています。

しかし、生活環境ががらりと変わったいま、食生活も思い切った変更が必要です。

まだまだ若い、その若さを保つには、タンパク質が必要です。

もう、40歳代のように生活習慣病を防ぐから卒業し、健康長寿(自力歩行をし、誰の介護も必要とせず、毎日が明るく充実を日々を送れる)を目指していきたいものです。

*すでに糖尿病や高血圧など、医師から診断されている場合は別途治療を受けてください。

タンパク質は筋肉や内臓の材料になるほか、脳の働きを活性化する、精神の働きをよくして精神的な安定をもたらし、免疫機能をアップさせます。

そこで、肉や魚、卵や大豆(あるいは大豆製品)がタンパク質源として重要になってきます。

あまり知られていませんが、これらには同時にビタミン類やミネラル類も含んでいる特徴があります。

ただし、葉っぱモノの野菜(特に緑黄色野菜:ほうれん草、小松菜、春菊、チンゲン菜など)を追加しなければビタミンB群が不足しがちです。

これらは疲労回復のほか、皮膚や精神のビタミンで欠かせません。

なので、魚中心から、牛肉など、肉と魚を半々程度に、特にやせ気味の人は肉類を積極的に食べていただきたいです。

肉の量を多めにしていく必要があります。特に豚ヒレ肉、レバー類、大豆、枝豆にはビタミンB1、納豆や牛乳、卵、青魚にはビタミンB2,が豊富。

それに緑黄色野菜を追加していくスタイルに変えていきましょう。

*緑黄色野菜は、細かい規定がありますが、簡単な見分け方があります。外皮も色が濃く、切った断面の色が濃いものが緑黄色野菜です。例えばかぼちゃは断面は濃いオレンジ色ですがなすは断面が白いので、緑黄色野菜には入りません。

こほか、各種研究から、寿命は「ちょっと太り気味」の法が長生きだとされています。

この「ちょと太り気味」というものはBMIで計算されます。BMIとは身長と体重から体の大きさを表した指数で、体重(kg)÷(身長m×身長m)で求められます。

BMIの計算結果についても解説がされています。

簡単な計算式がネット上にありますので、面倒な計算は、そういったサイトに任せましょう。

60歳を超えると、70歳代、80歳代での健康を見据えて行かなければなりません。

そこでBMIが40歳代の段階で、平均余命が厚生労働省の研究班が調べています。

すると
BMI25以上30未満 の【太り気味】が
男性41.64歳、女性48.05歳 と最も長生きをし、
ついで、BMI18.5以上25.0未満の【普通】、
BMI30以上の【肥満】男性39.41歳、女性46.02歳
BMI18.5未満の【やせ】男性34.54歳、女性41.79歳

というように、「スリム=長生き」というイメージがあったのですが、男性も女性も「やせ」より太めのグループの方が長生きでした。

年齢を重ねると、体力が落ち気味。痩せていると、年齢による様々な体の器官の機能低下を招いている、病気になったときに乗り越える体力が低下していると類推されています。

そこでしっかりと肉を食べ、運動をし(散歩で充分)中年太りは「70、80歳代を元気に過ごすための将来貯金」と考えたほうが良さそうです。

ただし、これから脳卒中や心筋梗塞など死に至る、あるいは思い後遺症が残る病気は防いでいかなければなりません。

そこで、一定の減塩(味付けの濃いものは控えめに)と野菜類の摂取、肉が良いといえども魚の摂取も忘れないでいくことが必要です。

このような食生活の結果は医師による血液検査が重要になってきます。

年に一度は血液検査をはじめとする健康診断、そして日本人の死因第1位のがん検診を必ず受けて自衛することが必須になってきます。

これまで、健康診断をサボっていた人も必ず受ける事が必要です。