こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。
今回も、「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!
毎号も皆様の「あしたの健康」にお役立ち出来る情報を、身近なテーマとして書いています。
おせち料理のカタログが出回りはじめましたね。昨年おせち料理の選び方をご紹介したところ「え~、意外!」「気がつかなかった」というお声をいただきました。
拙宅にもおせち料理のカタログが届いてきましたが、見てびっくり!昨年とずいぶんと様変わりしているのです。
そこで2015年の新春を彩るおせち料理についてご紹介していきたいと思います。
すっかりおせち料理は「作る」から「買う」に大きく変化してきました。全てのメニューを準備するのでなく、何品かを総菜店などで販売しているものを買い足してそろえることも増えています。
まさに、主婦の腕のみせどころが「料理を作る」から「美味しくて手頃なおせちを選ぶ」時代になってきました。
そこで、数社のおせち料理のカタログから今年の傾向を見てみると、
1)和風のしめる割合がぐんとアップ
2)少人数用おせちの種類が豊富になっている
そして大きなチェックポイントは
【野菜の使用量が格段に減っている】
ということです。
昨年は、お正月の時期特有の
・年末からの暴飲暴食が影響したまま
・運動量が減る(仕事が休み)
・生活が不規則
・飲酒量が増える
などの理由から比較的野菜が多く、塩分も控えめなイタリア風おせちをおすすめしていました。
しかし、おせちは重箱にはいったものばかり食べるので詰め合わされているメニュー全体を見て選ぶことがコツ。
ところがカタログを見ると、イタリア風のおせちも肉類が中心になり、トマトやタマネギのような野菜類がほとんどみあたりません。
和風おせちも、野菜の煮物などがほとんど入っていません。
肉や魚、エビなどが大きく入っていると豪華には見えますが、野菜類は貧相。この現象はいったいどうしたことかというと、
【夏場の異常気象で野菜の相場が急騰した】
とうことです。
おせちを食べるのはお正月(来年の1月)ですが実際に献立を作るのは8~9月にかけてです。そうでないと、カラーのカタログが10月に届けられないのです。
チェックポイントとしては
1)彩りのきれいなもの
白、赤、黒、緑、茶色など5色以上あるものを!使われている色の種類が豊富ということは、見た目に綺麗というだけでなく、使われている食材と調理方法のバラエティーが多いということなのです。
2)メニューの品数が多いもの
3)(可能であれば)野菜の入ったメニューが多め
と選んでいきましょう。
そこで今年のおすすめは「和風」です。
和風は、高塩分というデメリットがあるものの、食材のバラエティーが豊富で、エネルギー(カロリー)が低めです。しかも栄養のバランスが取りやすい良さがあります。
日頃食べる機会が少ない黒豆といった豆類、田作りのような小魚類、昆布巻きといった海草類を食べるチャンスでもあります。
このほかのチェックポイントは食べる量です。おせちは一度に食べきれずに何度か連続して食べてしまうものだけに、高エネルギーなメニューが中心のものは正月太りの原因になりがちです。
家庭で作ると、重箱に詰める量、ぴったりに作ることは不可能です。どうしても多めに出来上がってしまいがちなので、控えめに作るのがコツ。量が多くなければ、早めに食べきってしまうために同じ食品を繰り返さずに済み、食べ過ぎも防いでくれるからです。
おせちメニューを持ち帰り総菜で部分的に取り入れるのも良いですね。洋風メニューのオードブルを和風のおせちに追加するようなスタイルもお薦めです。
正月期間中は日頃と違う行動パターンの為にいつもと違う疲労感があったり、胃もたれ、便秘になる人も少なくありません。
未然に予防するにはなますや酢レンコンといった酢の物、筑前煮やたたきゴボウといった煮物や和え物がおすすめです。
洋風メニューであれば生野菜を使ったサラダや中華風のキュウリピクルスなどがいいですね。酢の物やドレッシング、ピクルスは酢を使用しているため疲労感を早く解消してくれます。シャキシャキ噛む野菜類は食べ過ぎによる胃もたれを防ぎ、豊富な食物繊維が便秘解消に役立ってくれるのです。
最後のコツは【自分にあったおせちに変えよう】ということです。
手元にあるおせち料理に野菜を追加して全体の量を増やすことによって塩分や脂肪の割合を抑える作戦です。
これなら野菜不足の解消と減塩効果があるので生活習慣病が気になる人にはぴったりです。
和風おせち料理メニューすでに十分に味がついているので半分~同量程度の野菜を追加して混ぜ合わせればOK。なますなどは大根のせん切りを、和え物はインゲンやほうれん草をプラスするのがおすすめです。煮物類は、冷凍の野菜ミックスをゆで、軽く煮合わせると味にムラができにくく美味しくなります。
洋風なら、やはり冷凍野菜や洗ってすぐ食べられるトマトやきゅうり、レタスなどを追加して皿盛りするだけで野菜量が増えていきます。持ち帰りのマリネやサラダ類のほか、ごぼうサラダも良いですね。ほうれん草や小松菜などを炒めた1品などもおすすめです。