ダイエットクラスブログ

さあ大変!風邪をひいたときはどうする!?

2014年11月06日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

今回も、「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!

毎号も皆様の「あしたの健康」にお役立ち出来る情報を、身近なテーマとして書いています。

すっかり気温がはやり、TVでは風邪薬のCMが流れ始めました。(インフルエンザ予防接種も始まってきましたが風邪とは別ものと考えてください)いったん風邪にかかってしまうと、特有の症状で仕事や日常生活にも支障がでることがあります。ここでしっかり免疫力を上げて撃退しましょう。

まず、風邪にかかりやすい人とかかりにくいひとがいます。仮にかかっても、すぐに治る人とこじらせてしまう人がいるのはなぜでしょうか。

これは個人の免疫力に大きな違いがあるからです。免疫力とは、体の内側からわき起こる自らが持つ自然な治癒力。風邪に対してはウイルスに対抗する力ともいえます。

風邪を引いてしまったときは免疫力が落ちている証拠。免疫力を回復しつつ、風邪に対抗するために重要な栄養素になるのがビタミンAです。ビタミンAは風邪によってのどや鼻、気管支、胃腸などの粘膜を丈夫にし、弱った体を立て直してくれるのです。

ビタミンAはレバー類やウナギに多く含まれていますが、好き嫌いや手近に食べられる食品ではありません。

そこでおすすめなのがベータカロテンの豊富な食品。ベータカロテンは体内に蓄積することができ、必要に応じてビタミンAに変化するからです。

このベータカロテンが豊富なのが緑黄色野菜。

厚生労働省による緑黄色野菜の定義は

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ほうれん草・にんじん・かぼちゃなど、カロテンを可食部100g中に600マイクログラム(600μg)以上含む野菜の総称。

一般には、緑色や黄色・赤色などの色の濃い野菜ととらえられていますが、「原則として可食部100g当たりカロテン(カロチン)含量が600マイクログラム(μg)以上の野菜」という基準が厚生労働省により決められています。トマト・ピーマンなどは、可食部100g中のカロテン含有量が実際には600マイクログラム未満であるものの、食べる回数や量が多いため、緑黄色野菜に分類されています。

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緑黄色野菜と思われていたトマトやピーマンは実はオマケだったんです。これは、質より量という考えかたなので、食べるときは量を多めにしておきましょう。

しかし!緑黄色野菜は細かい定義を憶えなくても簡単に見分ける方法があります。

それは、外皮も切った断面も色が濃いことです。

例えばカボチャなら外皮は深緑、断面はオレンジ色。一方ナスの外皮は紫色ですが断面は白。なので、ナスは緑黄色野菜ではない、と考えることができます。(緑黄色野菜以外の野菜は、ベータカロテンの補給源にはなりにくいのですが、ビタミン・ミネラル類やポリフェノール類、食物繊維が多いなど健康に貢献しています)

緑黄色野菜に豊富なベータカロテンは油によく溶ける性質があります。なので、油を使った炒め煮やドレッシングをかけて食べる方法がおすすめ。風邪で胃腸が弱っているときはゆでた緑黄色野菜(ブロッコリーやグリーンアスパラガスなど)にマヨネーズをかけて食べるのもおすすめです。

さらに厚生労働省では

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緑黄色野菜にはカロテン類だけではなく、ビタミンCも豊富に含まれ、ほかにビタミンK・葉酸・ミネラルなどを多く含んでいます。

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ビタミンCは「風邪を引いた」という体のストレスから守り、免疫力をアップさせる効果があります。ストレスというと精神的な苦痛を連想しがちですが病気というものは肉体的ストレスなのです。

ストレスは直線的に免疫力を低下させてしまいます。このためビタミンCが豊富なみかんなどの柑橘類、キウイ、いちごなどが生で食べる果物がおすすめです。

しかしビタミンCは熱に弱く、水に溶けてしまう性質があります。

野菜類からベータカロテンも豊富でなおかつビタミンCを得るには、新鮮で生で食べるようなもの(サラダ菜、クレソン、トマト、サラダ用ほうれん草など)が向いています。また、さっと炒める、水でゆでずに電子レンジで加熱して火を通す、といった工夫でビタミンCのロスを防ぐことができます。

意外なことに、ブロッコリーやカリフラワー、かぼちゃ、じゃがいも、さつまいもには含まれるビタミンCはその植物的性質から熱で壊れにくい性質があります。風邪を引いたときの材料選びのポイントとして憶えておくといいですね。

こうしてみると、いざベータカロテンとビタミンCを一度に食べようとすると、該当する食品は限られているのがわかります。

ですから、同時に含まれる食品ばかりを食べるのではなく、まずはビタミンA(ベータカロテン)をしっかりとることを優先して緑黄色野菜をいつもより多め(約120g:加熱した状態で片手1杯程度)を1日の目標として食べて風邪に対する抵抗力をつけていきましょう。