ダイエットクラスブログ

どんな水が良いのでしょう?

2019年06月26日

こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。

さて、今回のテーマは「水」です。

暑くなってきたら欲しくなるのが水分。体温調節に冷たい水分がちょうど良くなってきました。ダイエット中には硬水が良いですか?運動するときの水分はアミノ酸入りが良いの?気になるご質問をひとまとめに回答いたします。

日本人は水道水で十分

水には含まれるミネラルによって硬水や軟水に区分されます。硬水は含まれるミネラル類の作用でダイエット効果や便秘を解消するなどとも言われていますが、そこまで刺激が強ければ胃腸が弱ります。ダイエット効果に関しても説明がぼんやりしていて意味不明です。

ホットヨガのスタジオなどで硬水がよく販売されていますが、軟水だと利益率が低いので、価格が高めの硬水を勧めているだけで、勧めてくるインストラクターも詳しいことを知っているわけではないのです。もちろん水分摂取は重要なので、水は飲んでくださいね。

日本人は、軟水、つまり水道水で育っています。料理も軟水がどのような種類のメニューでも相性が良いのが軟水。しかしミネラル源として水に頼るのは力不足です。ミネラル類は魚介や海草、野菜、牛乳・乳製品などからシッカリ食べるのが効率的です

運動中はアミノ酸入り?

スポーツ用ドリンクとして「脂肪の燃焼を助ける」「筋肉をつける」というものがあります。ランニングやマラソンといった有酸素運動がダイエットには向いていますが、ヴァームウォーターはどれほどのダイエット効果があるかはイマイチはっきりしていません。アミノバリューは、筋トレ中の場合は良いのですが、普通はこの飲料が必要なほど筋トレをやらないのでアスリート向けといえます。

日常的なスポーツ用のドリンクとしては「麦茶」「ノンカフェインのお茶」もしくは「スーパーH2O」「ハイポトニックと書いてある飲料」が水分補給におすすめです。ハイポトニックとはカラダの浸透圧にそった糖分とミネラルの濃度に調節してあるもので、水分の吸収が良いようになっているのです。

ランニングを連続1時間以上する、あるいは長時間練習をする、試合が断続的に半日~1日続く、マラソンで90分以上走ると途端にバテる、という人には「エネルゲン」がおすすめ。これはエネルゲンの主成分が果糖であり、血糖値を一定にキープしてバテにくくしてくれるためです。さらに脂肪をエネルギー源として活用し続けられるので長時間スポーツをしたダイエット効果が得やすくなります。

いわゆるポカリスエットやアクエリアスは、果糖以外の砂糖やブドウ糖も多く含まれているので、「運動後」の回復役に向いています。また「運動前」に飲むと、運動とインスリンというホルモンの影響でバテやすくなるので、飲むタイミングは間違えないように!

ただし、熱中症予防には効果があります。理想はオーエスワンのような経口補水液を飲むことですが、手軽さを考えるとポカリやアクエリアスは良いでしょう。炎天下でスポーツをするときは、事前に飲む水分はお茶や水にしておき、途中から、いわゆるスポーツドリンクに変えるほうがおすすめです。もちろん冷やしておきましょう。

運動後には疲労回復効果の高いクエン酸とビタミンCが豊富な「キレートレモン」もオススメです。

水素水は?

過去にメルマガで水素水について解説しましたが変わらず質問が多いので簡単に解説します。

水素水については医療面などで研究が進められていますが、健康増進や生活習慣病対策、ダイエット目的には効果がありません。最近では水素を直接カラダに取り込むような健康器具も登場してきましたが、水素あるいは水素水を摂取した場合の「意味のなさ」が次のとおりです。

1)水素水からの水素が体内の活性酸素(体にとっては有害物質)と結びついて無毒化したり体外に出すようなことは 化学の構造から計算上で求めることは出来ても、実際に体内でそのとおり働くことは限りません。2)体に取り込まれた水素ガスは、呼吸の呼気(排出する息)として かなりの量がそのまま体外に出てしまう。3)卓越した健康効果、つまり、病気治療や 老化予防(アンチエイジング)や発がんを抑えるほどであれば逆に過剰症をはじめ、副作用があるかもしれません。

しかし、現段階で水素水の安全性は未確認です。もちろん安全な摂取量の目安もありません。単なる水なら安全量など気にしなくても構わないですし、なにか健康効果があるものなら副作用を警戒しなければなりません。

ということで「水素水は相手にしない」が一番です。

編集後記

またまたWEB記事に登場しています!

豚肉を食べてダイエット!?部位の選び方や簡単メニューも紹介

私が通っているフィットネスジムでもオプションサービスで「水素水」が販売されています。

運動をすると呼吸からより多くの活性酸素を取り込むので水素水の水素で活性酸素の害から体を守ろう、という理屈のようです。

しかし、ホットヨガスタジオでの例のように、「ただの水」だと追加料金をとれないのですよ。なので「水素水」として価値をつけているだけなのです。カラダの中の反応はのぞけませんから、アンチエイジング効果が得られてなくてもわからないし、何も起きてなくてもわかりません。私の心のうちでは「詐欺レベルの健康食品」です。

つまり、飲食店で水やお茶ではお金は取れないけれど、ウーロン茶なら料金をとれる飲料になる、というのと水素水は似たような事業モデルなのです。