ダイエットクラスブログ

体に良い飲み物って?モンスタードリンクの緑茶

2017年11月14日

こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。

今号では引き続きリクエストのあった「体に良い飲み物」についてです。

最終回になる今号では、「体に良さそうな緑茶」について解説していきます。

なぜ緑茶が「モンスタードリンク」なのか?

なぜ「モンスタードリンク」と表現したかというと健康効果のメリット・デメリットのどちらも「非常に大きい」飲み物だからです。

緑茶に関しては健康に良い面ばかりが強調されていますがデメリットも大きいことはあまり知られていません。

これは、お茶のなかにあるメリットをもたらす成分を多くとると、その成分が逆に悪さを起こす「諸刃の剣」だからです。

そのメリットをもたらす成分というのは豊富なポリフェノール類です。日本人が飲料から得るポリフェノール類が最も多いのが緑茶。代表的なものが、カテキン(渋み成分)、タンニン(渋み成分)、テアニン(うま味成分)、クロロフィル(緑色成分)、フラボノイド(抗発がん、抗酸化)などあり、含まれる種類は70種類にのぼるともされています。

緑茶といえば「カテキン」

トクホ(特定保健用食品)で「カラダの脂肪を分解する」などダイエット効果の主成分とされているのが「カテキン」です。

もちろんトクホでなくてもカテキンは緑茶に豊富。ほかにも、・発がんを抑制し、がんの転移を防止する(フラボノイドと重複) ・老化にブレーキをかける(フラボノイドと重複) ・高血圧・血糖値の上昇を抑制する ・殺菌作用で食中毒やウイルス感染を予防する ・虫歯、口臭予防(フラボノイドと重複)

これだけの素晴らしいメリットがあります。

しかし、カテキンは・渋みが胃を刺激して胃を弱らせる、というデメリットがあります。たった1つですが、体調不良を起こすには充分な内容。

特にペットボトルで緑茶を飲むと、湯飲みで飲むより量を飲みやすくなります。

ペットボトル入りのお茶には高カテキンのものも少なくありません。

飲んでみて「なんか、胃にくる」と思えば、すぐ中止しましょう。

緑茶に多い「タンニン」

お茶の渋み成分である「タンニン」。

その健康効果は、・テアニンと言う甘味を引き出す(美味しさは大事!) ・便を固く下痢を改善、ぐらいなんです・・・。

しかし、テアニンは重要なのであとでちょっと解説しますね。

その割にデメリットが大きくて、・体内で鉄と結合して吸収を妨げる ・下痢が改善されるほど便が固くなるので便秘になることも ・薬の成分と反応するので絶対に緑茶で薬を飲んではいけない、となるのです。

最も大きなデメリットが「鉄と結合して吸収率を下げる」という部分。

日本人は慢性的に鉄不足傾向があります。

さらに鉄が不足すると病気に対する抵抗力が弱まり、疲労・倦怠感が強くなります。

緑茶の飲み過ぎで鉄欠乏性貧血になることはありませんが、鉄不足によって「鉄欠乏性貧血になりやすくなる」ということと、「鉄欠乏性貧血を治療中、治療が終わって半年以上経過していない人」は飲んではいけません。

ほかに、最新情報として・うつ病の発症リスクが高まる、ということが解ってきたのです。

緑茶はカフェインの王者

緑茶には、コーヒーや紅茶、ウーロン茶と同様にカフェインが含まれています。

このカフェインとタンニンがあるから美味しさが引き立つのです。

<カフェインの量>コーヒー(カップ1杯)-90ミリグラム、紅茶(カップ1杯)-45ミリグラム、煎茶(お湯のみ1杯)–30ミリグラム、玉露(お湯のみ1杯)-240ミリグラム、栄養ドリンク100mlタイプ-50ミリグラム

ダントツで玉露のカフェイン量が多くなっています。

一般的な緑茶は煎茶ですが、ペットボトルなら500ミリリットルを1本、軽く飲むのでカフェインは100ミリグラムぐらい摂っています。

カフェインとほかのお茶成分の相乗効果でメリットとして・緑茶独特の美味しさが引き立つ・頭がシャキッとするということがあります。

ところがデメリットは、・カフェインも鉄の吸収をブロックする ・寝る前に飲むと熟睡を妨げる ・カフェインと相乗効果で胃を刺激する

特に玉露は飛び抜けてカフェインが多く、栄養ドリンクやエナジードリンクも真っ青です。玉露入りのペットボトルのお茶も注意したいところ。

結局は?

緑茶に関して様々な研究がでていますが、・研究目的でガンが予防できるほどの量を飲むとデメリットが大きすぎる ・1日3杯ぐらいなら、アンチエイジング効果などが期待できる ・4杯を越すと鉄の吸収を妨げる心配がでてくる(つまり500ミリリットルを1本飲むとちょっとどうかな?) ・口臭予防にはかなり効果的

ということで、緑茶には期待しすぎないことと、コーヒー、紅茶、緑茶はカフェインの影響が無視できないのでノンカフェインの飲料(麦茶など)と混ぜて水分補給をするのがおすすめです。

編集後記

本文では長くなりすぎで解説できなかったうま味成分「テアニン」について。

最近の研究(ヒト)では、・「脳波のアルファ波を増加させる」(リラックス効果) ・ストレスに対する自律神経系の反応を抑える、というものがあります。

「お茶でほっと一息」というのが科学的に証明されつつある、ということでしょうか。

ところで、お茶といえば「茶道」があります。抹茶をお湯で泡立てたものですが、大量のカフェインが含まれています。一回あたりの抹茶使用量が不正確なので計算できませんが玉露クラスです。

20代のころ、母親に花嫁修業として「茶道」を習うようにきつく言われました。(今時そんなものはないですよね)

胃弱だったので、あのお茶を飲まないといけないかと思うと心底イヤだったのですが、「母が娘時代に出来なかったことを私に学ばせようという気持ちなんだろうな」とお稽古開始。

そこで初めて気づいたのですが、お稽古なので「一度に何回もお茶を飲まなくてはいけない」ということです。

当然のごとく大量のカフェインが胃を直撃。激しい胃痛、胃もたれ、逆流性胃炎を起こして辞めたかったのですが、「まだ作法が身についていない」となかなか母の許しが出ずに苦しんでました。知識があっても自分に活かせなかった黒歴史です。

それにしても、師匠はほぼ半日、ずっと正座で「10杯ぐらいは軽く飲む」とのことで、慣れってスゴイな、と今でも思います。

そして肝心の作法はスッカリ忘れました!

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