ダイエットクラスブログ

体に良い飲み物って?ウーロン茶でやせる?

2017年10月24日

こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。

今号では引き続きリクエストのあった「体に良い飲み物」についてです。

今号では、「ヘルシー」「ダイエットに良い」と人気の高い「ウーロン茶」について解説していきます。

ウーロン茶の効果はポリフェノールが由来

ウーロン茶は緑茶と同じ茶葉の半発酵茶です。半発酵させる過程でカテキン類(お茶の渋み成分)が重合(じゅうごう:化学反応の一種)して生じるウーロン茶特有のポリフェノールが「ウーロン茶ポリフェノール」です。これがウーロン茶独特の色を演出しています。

ウーロン茶が大々的に日本に入って来た時、ウーロン茶ポリフェノールにダイエット効果があるとマスコミに取り上げられ大ブームとなりました。

ウーロン茶に特異的に多い成分はこのウーロン茶ポリフェノールだけです。ほかにはカテキン類のポリフェノールが含まれていますが、緑茶のほうが豊富なので特徴としては弱いですね。

ウーロン茶で痩せる?

果たしてウーロン茶で痩せるのでしょうか?

現在「痩せる」という効果効能は食品に関して表示できません。そこで、何らかの効果効能を表示できるウーロン茶のトクホ(特定保健用食品)について調べてみました。

意外なことにウーロン茶のトクホは2種類、1)黒烏龍茶(サントリー) 2)黄金烏龍茶(伊藤園)

1)は「ウーロン茶ポリフェノール」でデータをとって、・中性脂肪の上昇を抑える(脂肪の吸収を抑える) ・体に脂肪がつきにくくなる(脂肪の排出量を増やす)、という「ウーロン茶」らしい効果を出しています。

しかし2)は「ガレート型カテキン」で脂肪の吸収を抑えることでトクホの認可を受けています。

ウーロン茶なのに、緑茶に多い成分で認可?と謎。おそらくガレート型カテキンの味が渋いので、「渋めの味でも美味しいと感じる」ウーロン茶でトクホを取得してしまったのではないかと推測しています。

1)に関しては「飲むと痩せそう」ですが、「中性脂肪」というのが落とし穴。中性脂肪はお菓子やお酒、果物、運動不足でカンタンに上昇します。そして、上記の食品を控えたり、ウォーキング程度の軽い運動程度でカンタンに正常値に戻ります。

また、どちらも「脂肪の吸収を抑える」だけで「今ある脂肪を減らす」とは書いていません。

極論ですが、ウーロン茶で痩せるなら、世の中にデブはいません。太った人はウーロン茶さえ飲んでおけばいいわけで、メタボで困ることもありません。

トクホ以外にも機能性食品というものがあります。機能性食品は、製造会社が独自データをとってそれを効果効能として表示しているものです。国の認可を受けているトクホに比べると説得力が落ちますが、調べてみたら驚愕の事実。

1)食事のおともに烏龍茶(株式会社エルビー) 2)凹茶(ぼこちゃ:アサヒ飲料株式会社)

1)の根拠は「難消化性デキストリン」というウーロン茶には一切含まれていない食物繊維の特性を使って(つまり、ウーロン茶に難消化性デキストリンを混ぜて)「食事の脂肪や糖分の吸収を抑える」としてます。

さらにぶっ飛びは、2)についての機能表示で「りんごポリフェノール」(りんご由来プロシアニジンとして)を含有し、体脂肪が気になる方のお腹の脂肪を減らす機能がある」としています。

ウーロン茶でりんご??

ウーロン茶の迷走はどこまで進むのでしょうか。

お茶としてのウーロン茶の働き

実は「黒烏龍茶」は焼き肉店で隠れたドリンクヒット商品なのです。割高なので、通常のウーロン茶しか置いてないお店もありますが、人気のドリンクです。

黒烏龍茶やウーロン茶は、TVCMの巧さの勝利という側面がありますが、「脂っこい食事をした後に飲むとクチの中がサッパリする」という特徴あります。

水や緑茶、麦茶では得られない、ウーロン茶ならではの効果です。

これについてはどういう作用なのかハッキリわからなかったのですが、これこそがウーロン茶ポリフェノールの効果ではないかと推測できます。

実は「無いと困る」ウーロン茶

自宅でウーロン茶を飲まなくても外食先では飲む機会が多いのがウーロン茶です。

ウーロン茶は外食産業では「優秀な飲料」。日本では「水」「お茶」は来店時や食後のサービスであり、料金がとれないのです。

しかし同じお茶ながら、ウーロン茶は「ドリンクメニュー」として料金がとれるのです。お酒を飲めない人でも、ジュース類を飲まない人も「ウーロン茶なら大丈夫」とオーダーしてくれるのです。

「ウーロンハイ」(ウイスキーをウーロン茶で割ったもの)も同じです。お酒は体に悪そう、太りそう、痩せたいと感じている人は特に「ウーロンハイ」を好んで飲む傾向があります。ウーロン茶のダイエット効果やヘルシーイメージに期待をしていますが、ウーロン茶味の水割りと変わりません。ただし、ロックで飲むよりはウーロン茶の分量が多いので肝臓には優しいドリンクにはなります。

健康効果としてはイマイチぱっとしない結果でしたが、外食先で「人工甘味料なしのノンカロリードリンク」としてなくてはならない存在といえますね。

編集後記

今回、具体的に理解を深めてもらうために特定の商品についてレビューしています。ですので、わざとリンクはつけていません。興味のあるかたは検索してください。

ウーロン茶は中国全土で飲まれていたものではなく、日本で大々的に販売している企業が「ウーロン茶を飲む習慣がない地域」に日本で売り込んだようにして持ち込んでヒットさせたそうです。

なので上海あたりには「ウーロン茶 加糖」、「ウーロン茶 微糖」というものがあるそうです。

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