こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。
今号では引き続きリクエストのあった「体に良い飲み物って?」についてです。
そこで、体に良いのか悪いのかハッキリしなくて存在感がうすい「紅茶」について解説していきます。
紅茶は文字通り赤い(紅い)色をしています。
新鮮な茶葉をすぐに加熱処理する成分はほとんど変化しません。これが緑茶です。
同じ茶葉を新鮮な時に傷つけて細胞を破壊すると、茶葉のポリフェノールが酵素によって酸化発酵されます。すると赤色の強い色素である紅茶色素である紅茶ポリフェノールのテアフラビンが出来るのです。
テアフラビンの効果はどれも研究途上で断言できるものがほとんどありません。
ですが、認められている働きとして、1)抗酸化作用。体内で出来る活性酸素の作用(老化や遺伝子を傷つける)を防ぐ 2)脂肪の吸収を抑える 3)肌の老化を促す糖化を抑制する。肌のコラーゲンが糖と結びつくことによって変性し、老化を促進する。この糖化を抑制する可能性がある 4)ノロウイルスを消毒する 5)食後の血糖値を抑制する 6)高めの血圧を下げる 7)内臓脂肪を減らす
ものすごくたくさんあります。
これが全て実証されれば紅茶はダイエット、生活習慣病予防、発がん予防と大活躍です。
しかし、どれも動物実験であったりプレート上(机の上)での実験結果。そのまま紅茶を飲んで上記の成果が期待できるかは判断できません。
実際の所は、紅茶特有のテアフラビンは「毒にも薬にもならない」というところでしょう。
*ネット記事などで「テ“ラ”フラビン」と表記されている場合がありますが、これは完全な間違い。「Theaflavin」と書くので、「ア」が「ラ」になるわけありません。
紅茶は体の健康を維持するのに不可欠なものではありません。なので、「紅茶でなければならない」わけではないのです。
しかし、紅茶には特有の香りがあります。これにリラックス効果があるのです。
紅茶の温かい温度で自律神経の緊張が解け、香りが気持ちを落ち着かせるのです。
また、緑茶や烏龍茶と異なり、・シナモンやクローブなどのスパイス ・リンゴやオレンジなどのフルーツと組み合わせて香りと美味しさが引き立つ特徴があります。
スパイス類との相性の良さは、インド風紅茶といえる「チャイ」の人気でも解るはずです。紅茶はアップルティーなどが女性に人気で、フルーツフレーバーの紅茶がティーパックとして販売されています。
リラックス出来る香りは人それぞれです。そのなかで、身近で香りを楽しむことでリラックスするには、お茶類の中で一番優秀だといえます。
紅茶はティーパックが普及していて便利です。本格的に紅茶が好きなら茶葉を使うことをおすすめしますが、入れ方にコツがあります。上手く入れないと渋みが強くなるので、練習が必要です。
ティーパックにも廉価品と高級品があり、価格が高いもののほうが香りが高いのおすすめです。
ちなみにペットボトルや缶入りに紅茶の種類が少ないのは1)香りが飛びやすい2)容器のニオイが紅茶に移って紅茶の風味を台無しにするという特徴があるからです。
ペットボトルの紅茶は香りが逃げてしまっているので、「紅い色の水分」と考えたほうが良さそうです。また、ミルクティーはコクを出すために砂糖の使用量が缶コーヒー以上に多いので「ミルク風味の砂糖水」状態。飲むには要注意!
一部で「紅茶でうがいをすると殺菌効果がある」、と言われています。これは緑茶でも言われることがあります。
実は日本紅茶協会によると、インフルエンザに関してはウイルスの種類に関係なく、紅茶テアフラビン、緑茶カテキンがウイルス粒子を凝集させ、感染力を失わせる。あくまでも予防効果であり、ウイルスが細胞内に入り込み増殖し始めた状態ではお茶の作用は及ばない。
ということで、紅茶でも緑茶でも風邪予防効果はあるようです。ただし、罹ってしまえば効果はない、という意味も含まれています。
紅茶は、リラックス効果の高いドリンクであり、メンタルヘルスに効果的な飲料というのが結論です。
一時期、紅茶の品種の1つの「アールグレイ」にハマった時がありました。独特の香りがするのですが、これはアイスに適していてホットで飲むと香りが強すぎて「くどい」かんじになります。
リラックスにはホットで、とオススメしていますが、香りを重視する飲み方としてはアールグレイのアイスはオススメです。
スパイシーな香りでオススメなのがチャイです。ただ、スパイスの辛味を消すために、砂糖の使用量が多いのが気になるところ。
逆に「人気なのに私は苦手」なのがアップルティーです。どうも香りが強すぎてダメです。
このように紅茶は香りの種類を楽しめるリラックスドリンクとして飲むのがオススメです。
ちなみに、本場イギリスではレモンティーは緑茶に砂糖を入れるぐらいあり得ないものだそうです。
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