こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。
今号ではテーマとしてリクエストのあった「尿酸値を下げる食事について」です。
血液中の尿酸値は高すぎると痛風の原因になります。そして足の親ゆびの付け根などの関節が赤く腫れて痛みだします
痛風の語源は「風が吹いても痛い」とあるように、ささいなことで電撃痛(全身が雷に打たれたようなとてつもなく激しい痛み)を引き起こすのです。
痛むので病院にかかる事が多いのですが、痛みがおさまれば治療を辞めてしまう人も多く見られます。
痛風は尿酸が体の中にたまり、結晶を作ることにより色々な障害が起きる病気。結晶により関節炎が起き、関節の周りや皮膚の下に結節が出来(痛風結節)、腎臓にたまった結晶により腎臓が悪くなり(慢性腎臓病)、尿路結石ができます
放置せずに「血液中の尿酸値を正常に戻す」ということが一番なのです。
プリン体というのは、体内で尿酸値を上げる成分。お菓子のプリンとは全く関係がないのですが、その化学構造式の見た目がプリンに似ているためにこの名前になったのです。
プリン体が多い食品で重要なのが、 1)ビール 2)レバー類、エビ、イワシ、カツオ 3)健康食品、です。
結論からいうと「意味なし」です。
クチから入ってくるプリン体を減らすということで人気ですが、全く効果がありません。
プリン体を多く含む食品を避けても、どんな食品にでも少しは含まれているのでプリン体ゼロの食事というのはあり得ません。
そしてアルコールを分解するために体内のプリン体が使われるのです。その時の代謝物として尿酸が作られてしまいます。
なので、プリン体ゼロでも飲料としてアルコールが含まれていると意味がないのです。
もちろん、ノンアルコールでプリン体ゼロのものならOKです。
全ての健康食品が対象ではありませんが、プリン体が多く含まれているものが少なくありません。
健康食品には含まれる栄養成分が表示してあります。しかしプリン体は表示対象外ですし、わざわざ含有量が多いというデメリットを宣伝する訳がありません。
痛風と診断された時には、ビタミンやミネラル類のサプリメント程度の利用に留めておくのが良いでしょう。
体内でどうしても出来てしまうプリン体や尿酸。これを体の外に出してしまうほうが現実的です。
それに効果的なのが、 1)きのこ、海藻類、野菜をたっぷり食べること 2)水分をたくさん飲む、この2つです。
もちろん、アルコール飲料は水分ではありません。
プリン体は「美味しい」と感じる食品に多く含まれています。しかもプリン体の多い食品を覚えるのは大変です。(上記で紹介した程度は覚えてください)
そこで「外に出す食品を多く食べる」としたほうがストレスがなく食事でコントロールしやすいのです。
痛風はグルメ病といわれるぐらいで慢性的に野菜不足に陥っている人が少なくありません。
野菜は非常にオススメな食品です。多く含まれるカリウムが尿酸を外に出します。
ただし、カリウムはゆでると水分中に半分程度逃げてしまいます。
なので「ナマ」で食べるか、炒めるか、ゆで汁ごと食べる「味噌汁」などがおすすめです。
1日の野菜の目標は「ナマ」の状態で両手3杯。(きのこ・海草を含む)
加熱した場合は両手1杯半でOK。
水分は、尿のなかに尿酸を排出させてしまう、という意味です。麦茶や普通の水道水で充分です。
1日2リットルぐらいを目標に飲んで下さい。(結構大変ですが、痛みを思い出して頑張ってくださいね)
カリウムの多い食品としてバナナがあります。手軽なのですが、痛風を抱えている人はたいてい他の生活習慣病を併せ持っています。(あるいは予備軍です)
なので、バナナは生活習慣病の大敵である肥満の原因になるのでオススメできません。
ところで、私は果物をほとんど食べません。実家の両親はよく食べますが、一人だけ食べなかったことも良くありました。
それは、管理栄養士として知識が増えると「果物は実はヘルシーではない」と知ってしまったからです。
量を守れば優秀なビタミンC源なのですが、同時に果糖をはじめ糖分が多いので太るだけでなく、中性脂肪を上げるからです。
なので基本的には食べません。たまに糖分の少ないいちご、キウイ、りんご、柑橘系の果物、糖分は多いけれど桃を家族で分け合う程度しか食べないのです。
そして「柿」。糖分が多すぎて怖くて食べられません。
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