こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。
前回のメルマガでは病気に対する抵抗力をつける「免疫力をあげるコツ」を解説しました。
ところが、ネット上ではドンドン「これを食べれば良い」「これを飲めば良い」という情報が拡散していっています。そこで、今回は「主なトンデモ」について解説していきます。
体を温める食べ物として有名なのが「しょうが」。ほかにも殺菌作用・抗菌作用があります。ですから感染症に有効なのではないかと考えられてしまいます。
しかし、こういった「〇〇を食べれば」というのはたいてい量のことを考慮にいれていません。
しょうがは薬味程度で充分健康効果を発揮します。「コレが良い」と聞くと集中的に食べてしまうことはよくあることです。しかし、しょうがは胃への刺激が強い食品なのでスライス片をボリボリ食べるものではありません。お寿司の「酢漬け生姜(ガリ)」程度で充分。
また、しょうが“だけ”で病気に対抗することはできません。
前回「免疫力アップの食べ物」としてヨーグルトを紹介しました。
ヨーグルトは免疫を司る腸を健康にするのでお薦めですが、やはり“これだけ”というわけにはいきません。
また、類似した健康効果を持つ食品に「牛乳」があります。ヨーグルトと牛乳との大きな違いは「善玉菌を補給できるか否か」という違いなのです。
クチから善玉菌を追加するのも手軽ですが、牛乳とほかの食品の組み合わせで「結果オーライ」となる例があります。
たとえば、1日のうちに牛乳+納豆や牛乳+野菜といった牛乳に追加して食物繊維源になる食品の追加で「すでに腸内にいる腸内細菌を食物繊維で元気づける」という方法をとることも出来ます。
そうするとヨーグルトには少なく牛乳に多いアミノ酸や納豆ならではの大豆の健康効果、野菜ならではのビタミン類の補給ということが出来るので、これはこれで栄養のバランスをとってくれます。
食べる食品数を増やすことで栄養バランスが整い免疫力がアップするのです。
コロナウィルスの感染予防に関して私のところに来たメールや、ツイッターを見ていると「お湯を飲めば良い」というのが目立ちます。
理由は>ウイルスは26~27度の温度で殺せる>だからお湯を飲んでください。
いやいや人の体温は36度あるんですから、それ以下の温度で殺せるウイルスなら体内で死滅してますって。
この話【デマ】なので信用しないでください。
特定の療法を非難するのは個人的には好きではないのですが・・・。この療法を盲信して死亡事故(事件)が起きる例があるので注意喚起したいところです。
レメディというものを勧めてくるのですが、細かい解説を省略し、栄養学的に表現すると「ただの砂糖玉」なんです。なので、高額を支払っても効果はありません。
いまの厚労省の対応や病院での検査体制などに不満をもつ人達につけこんだ「商売」という印象です。
たしかに色々思うところはおありかと思いますが、だいたいこの2週間ぐらいが山です。ここを乗り切れば、感染騒ぎも収束するでしょう。
私達に出来ることは、1)手洗い←1番大事!2)発熱などあれば、ムリして出勤しない。 受診後は自宅で安静に。3)睡眠時間は7~8時間を確保。というところです。
コロナウィルスの感染騒ぎがあった当初、感染者の人達の行動が追跡調査されていました。これは、感染ルートを調べるためです。
その時に紹介されていた5名ぐらいの方がそろいもそろって、・発熱していたけれど、新幹線で遠方に出張・肺炎と診断されていたけれど、電車通勤で出勤というように「病気でも仕事をしていた」という状態でした。
政府が「働き方改革」をうたっていますが、全くダメですね。
あと、時差通勤が呼びかけられていますね。「出社時間を遅らせる」企業が多いようです。
私自身の考えとしては「早め出勤、早め帰社」のほうが良さそうに思います。
特に「早め帰社」。朝の通勤ラッシュもすごいですが、帰りの通勤ラッシュもバカになりません。
それなら、早めに帰宅して自宅で休養したほうが良いのでは?と思います。だらだら残業しても、疲れるだけです。疲労は免疫力を下げてしまいます。
子供の保育園送迎問題、遠方からの通勤などを考えると一概に言えないので、会社レベルや部署単位で一斉でなく個人対応が出来れば理想的ですよね。