こんにちは 管理栄養士の菊池真由子です。
今号のテーマは朝起きられない、だるい、疲れやすいという「病気じゃないけれど不調になる」という【低血圧】です。
実は低血圧というのは、ハッキリとした基準がありません。
血圧の正常値(域)に対して高い値である場合は「高血圧」等の診断基準がありますが、正常域より低い場合には決まった基準がないのです。
収縮期血圧(上) 基準範囲-129以下、要注意–130~159、異常-160以上
拡張期血圧(下) 基準範囲-84以下、要注意-85~99、異常-100以上
*日本人間ドッグ学会によるガイドライン
高血圧になる原因は、肥満や塩分の取り過ぎなどハッキリしていますが、低血圧になる原因は明確でありません。
自律神経の動きが鈍い、運動不足、ストレス、食生活が乱れている、貧血など持病の影響と個人ごとに原因がまちまちで重ね持っていることもあります。
原因のそれぞれについては現代型ライフスタイルが大きく影響しているのです。
例えば自律神経の乱れと運動不足、ストレスはそれぞれが複雑に絡み合って低血圧を起こしやすいものです。
パソコンに向かっての仕事、マイカーでの移動など体を動かす時間が極端に少ないのが現代型の生活。
運動不足は、不足という状態そのもので低血圧を呼び込みます。そもそも運動は血圧をコントロールする自律神経の働きを正常にし、ストレスを解消する効果を持っているのです。不足すれば血圧は正常範囲から外れてしまいます。
別の側面からみると、ストレスが強いと自律神経が乱れ血圧の調節が悪くなります。しかもイライラしていると気持ちに余裕がなくなり、無意識に体に力がはいってしまうのです。このような状態は、運動不足の時と同じように全身の筋肉が固まっていて、血行も悪くなります。
低血圧だと朝が起きにくくなります。しかし、これは重症の低血圧の場合だけで「正常域よりちょっと低い」ぐらいでは起きません。起きられないのは単なる惰性なのです。
厳しい表現ですが、少々の低血圧なら「朝は気合いで起きられる」ます。
朝、起きられないのは前日の夜に問題があるのです。
夜更かしや深夜に飲食していませんか?慢性的な寝不足になっていたり、寝る前のパソコン・スマホで脳の寝つきが悪くなっていませんか?
これらが「朝、起きられない」ことの原因であり朝の低血圧とは関係がないのです。
充分な睡眠がシッカリととれていれば朝はスッキリ起きられるはずです。逆に睡眠時間が短い、浅い、などがあると朝は眠くて起きづらくなるのは当たり前。血圧とは関係がないのです。
寝る2時間前にはコーヒーなどのカフェインの多い飲料は避け、パソコン・スマホは1時間前に終わらせておくのが良いですね。
朝から起きるのが辛い、だるい、ヤル気がでない、など一般的に言われる低血圧による「しんどい症状」をスッキリ解消するのが朝食です。
朝食の内容は、 ・卵料理(卵かけご飯は新鮮な卵で!) ・納豆 ・魚料理(焼き魚定食でOK) ・肉料理(ハムエッグやウインナーでもOK)
といったタンパク質のメニューが必須です。
タンパク質は食後直ぐに体温を上げる働きをもっているので体を温め、代謝を上げるのです。
といっても、これまで食べる習慣がなかった人、寝起きの状態では食べられないという人には「ホットミルク」がおすすめ。牛乳にもタンパク質があり、ホットドリンクはお腹を温めます。
前日の夜の眠りを妨げるカフェイン。これを朝に取り入れると脳が目覚めます。コーヒーや紅茶を利用すると強制的に体に気合いが入ります。
ただし、1杯まで。2杯、3杯と飲むとカフェインの作用でむやみに脳が興奮して疲労感がマヒしてしまいます。
疲れは体が睡眠をはじめとする休養を欲しているサイン。カフェインで疲れを誤魔化し続けるとある日突然過労で倒れることもあるのでご注意を!
「シュンケル」という単語をご存じでしょうか?一時期ツイッターで話題になった「ピンチを乗り切る方法」です。
これはシュークリームと栄養ドリンクのユンケルを合体させた造語。「シュークリームを食べて、ユンケルを飲むと徹夜が出来る、徹夜しても冴えている」という内容。
ユンケルの効果はカフェインなので、要はシュークリームの糖分と大量のカフェインを摂る、ということです。
実は『食べても食べても太らない法』の執筆中に色々間に合わなくなって、徹夜状態に陥りました。
そこで「シュンケル!」とやってみました。
確かに見事に徹夜は楽にできるし、内容もはかどるのなんの。
素晴らしい!とは思いましたが、反動が凄かった。
強制的にカフェインで脳をたたき起こしているので翌日には、脳が疲れ切ってまる1日泥のように寝てました。
もう絶対やるもんか!というぐらい反動が酷い。思い出しただけで「もうあんな疲れる反動はこりごり」と思うほど。マネしないようにね!!
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