ダイエットクラスブログ

良質なたんぱく質とは?

2016年12月20日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

今回も、メルマガ「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!

今号ではテーマリクエストにありました「良質なたんぱく質とは?」です。

お知らせ

現在 テーマリクエストをたくさん頂いています。なかなかリクエストした内容が登場しなくても必ず取り上げますので いましばらくお待ちください。

そもそもたんぱく質って?

たんぱく質は英語で「プロテイン」と言いますが、これはギリシャ語の「第一」という意味の言葉から生まれたものです。栄養として「一番に必要」と考えられていたのがわかります。

栄養には三大栄養素というものがあり、それは炭水化物、たんぱく質、脂質の3つ。生きていくのに欠かせない栄養素なのです。

タンパク質は筋肉や内臓の材料になり、ペプチドホルモン、酵素、神経伝達物質などを作りだし、体力、免疫力をアップさせます。

たんぱく質に「良質」と「良質じゃない」ってあるの?

ではたんぱく質に「良質」以外に「特選」や「並」「イマイチ」というような品質差があるのでしょうか?

実は栄養学で「良質」と表現されるのはたんぱく質だけです。しかも「良質」か「そうでない」という区別だけです。また「良質」と表現はよくすることはあっても「良質ではないたんぱく質」というような表現は滅多にされません。

これは「良質」でなくてもたんぱく質は栄養学的に意味があるからです。

「良質」の意味って?

肉や魚、卵などに豊富なたんぱく質は体で消化吸収されると「アミノ酸」に分解されます。

言い換えると、アミノ酸の集合体がたんぱく質なのです。

人間の体に必要なアミノ酸を必須アミノ酸と呼びます。

必須アミノ酸はイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類。子供だけ、これにアルギニンが追加されます。

この必須アミノ酸の必要量100として、その充足率をアミノ酸スコアと呼びます。

そして、アミノ酸スコアが100のたんぱく質が「良質なたんぱく質」と呼ばれているのです。

100の食品として代表的なものは卵、牛乳、あじ、いわし、さけ、牛肉(サーロイン)、豚肉(ロース)、鶏肉(むね)です。

ちなみに赤ちゃんの栄養である母乳も100です。

健康や料理の本などに「良質な脂(油)」という表現を見かけますが、これは品質を指しているだけです。たんぱく質以外の栄養成分については栄養学上での「良質」とは表現しません。

良質じゃないとダメ?

同じたんぱく質なのに良質にならないたんぱく質があります。

例えば、大豆のアミノ酸スコアは86、あさりは84、いかは71です。

これは、含まれる6種類の必須アミノ酸のうちのどれかが必要量の100に満たないからです。

100に満たないアミノ酸が制限アミノ酸と呼びます。この制限アミノ酸が複数あっても、最も低い数値を持つ制限アミノ酸のレベルまでしか、ほかの必須アミノ酸がはたらきません。

しかし、食品によって制限アミノ酸の種類が違います。

そこで、様々食品を食べる事によって、足りない必須アミノ酸を補完しあえます。なので「良質」でなくても胃の中で「良質」に変化することがあるのです。

例えば、精白米のアミノ酸スコアは61。制限アミノ酸はリジンです。(注:穀類や野菜・果物にもたんぱく質は少ないながら含まれています)

そこでおかずとしてリジンが豊富な魚や肉を食べると精白米のリジン不足が補われます。

つまり、ご飯とおかずに魚や肉を食べるとごはんですら胃の中で「良質なたんぱく質」に近づいていくのです。

ですから、良質でなくてもたんぱく質を食べるというのは意味があることなのです。

編集後記

もうすぐクリスマスですね。我が家では小学2年生の娘が図工や学童保育でクリスマスリーズやツリーを作ったので飾っています。

クリスマスが終われば、あっという間に新年準備。我が家ではねこ好きな主人が「ねこカレンダー」を買い込み、なぜか「トイレ用」まであります。

メルマガ「あしたの健康」は今年最終号です。ご愛読いただきありがとうございました!

新年は1月12日号を予定しています。来年も「あしたの健康」をよろしくお願い申し上げます。

良い年をお迎えください!!