ダイエットクラスブログ

糖質制限ダイエットのデメリット その後

2016年12月03日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

使用で2週間お休みしましたが、今回もメルマガ「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!

今号ではテーマリクエストで「糖質制限をしたら頭痛がひどくなったのはなぜ?」です。

同時に複数のリクエストを頂いていますが順次お答えしていきますのでどうぞご安心ください。

テーマリクエストについて

現在、リクエストを多く頂いていて、若干滞り気味です。ですが、必ずお答えします。忘れていませんヨ!

すでにメルマガ読者である皆様でリクエストがあればメルマガに返信をする形でお知らせくださいね!これまでの内容でもっと知りたいことやもう一度取り上げて欲しいということでもOKです。

リクエストは大歓迎なのでお待ちします!

そもそも糖質制限食って何?

糖質制限という食事内容は、低糖質食であることです。1日に食べる全ての飲食物のかなりの糖質量を低く抑えた食事のことです。

そのため、糖質を多く含む、ご飯や麺、パンなどを控えます。

控えるといっても、量を今までの半分にする人もいれば、限りなくゼロに近づけていく人もいます。

ここからが【よくある誤解】なのですが、
1)糖質の量をいきなりゼロに近づけるだけで痩せる
2)食事としてご飯を食べないだけで他の食事内容は自由

というように、「糖質」だけに偏って考えてしまっていることです。

しかし、この食事方法の本来の由来は「糖尿病食」なのです。

糖質制限食が糖尿病食?

糖尿病とは血液中の糖分(血糖値)が高くなりすぎてかかる生活習慣病です。

糖尿病は「不死不治の病気」といわれているコワイ病気です。

糖尿病だけでは死んだりしません。なので「不死」なのです。

しかし、一度糖尿病になれば、治ることはありません。これが「不治」。ですから、悪化させないことが最大の治療法になるのです。

糖尿病になると、病気の進行につれて様々な病気を呼び込みます。(詳しい解説は医師法に触れるので割愛します)

その病気は死に至る病気も含まれているために糖尿病の悪化は絶対にさせてはいけないのです。

そこで、糖尿病の特徴である「高血糖」を防ぐために口から入る糖質を減らして血糖値を正常化させよう、という考えからスタートしたのが、いまの
「糖質制限ダイエット」なのです。

ではなぜ頭痛が起きるの?

先に説明したように、一般の人がいきなり糖質を制限するときに良くある誤解が「糖質をゼロに近づけるだけでやせる」ということです。

しかし、いきなり糖質をゼロに近づけると体がこれまで糖質をメインエネルギーにしていたのに、突然エネルギー源が止まって体がパニックになります。

もちろん、糖質制限ダイエットでは代わりに肉類などを食べてほかの栄養素(たんぱく質や脂肪)をメインエネルギーに切り替えます。

ただし、メインエネルギーが糖質からたんぱく質や脂肪に変わるように順応するには時間がかかります。なので、例えば「毎食ご飯を食べていたのに、今日から一切食べない」というようにいきなり多くの量を減らすと、体がエネルギー切れを起こします。

このエネルギー切れをもっとも敏感に影響をうけるのが「脳」です。脳にとって、糖質の主成分であるぶどう糖が重要なエネルギー源です。

その脳に糖質からのエネルギーが届かなくなると「低血糖」という状態になります。

すると低血糖の症状として
1)ふるえ
2)めまい
3)頭痛
などが起きます。

糖質制限をして頭痛がひどくなったのは「低血糖症状」なのではないでしょうか。

低血糖症状は、飴をなめる、お菓子を食べるといった少し糖質を体に入れるだけですぐに解消されます。

もう1つの隠された理由

糖質制限ダイエットと頭痛の関係で低血糖症状を疑うのは、管理栄養士ならピンとくる話です。

ですが菊池ならではの、もう1つの視点をお話します。

それは「脱水」です。

脱水を起こすと頭痛を起こします。

さて、糖質源になる食品はご飯・麺・パン、芋類、果物などです。

これらには、糖質と同時に水分が多く含まれています。注:パンと果物は種類によっては少なめです。

なので、飲み物とは別に糖質源である食品から「目に見えない水分」を取っていたのです。

しかも、ご飯を食べるなら味噌汁やお茶を飲む、麺なら汁やスープを一緒に飲むことがあります。ところが糖質量を減らすことに注意が行き過ぎると食事中のお茶や汁物の水分量が減っていることがあるのです。

もしくは糖質の代わりに食べていたタンパク質源である肉などの料理の味が濃いと必要な水分量が増えてしまいます。その量に対して飲んでいる水分量が少なかったかもしれません。

水分は生命の維持のために必ず一定量が必要です。

夏期や運動後などに汗をかいたりするとのどが渇きます。これは汗で失われた水分を補給するために脳が「のどが渇いた」と指令をだして体に水分を取り込むようにしているのです。

たくさん水分が失われたときは「のどが乾いた」とハッキリと自覚症状がでるのですが、「少し水分が足りない」ぐらいでは、ほとんど自覚しないのです。

糖質源からとっていた水分量は、飲み物から得られる水分に比べて遙かに少ない量です。ですから、自覚がありません。一緒に飲んでいたお茶類が減っていても脱水の自覚は起きにくいのです。

水分量の不足としては少ない量でも毎日重なると、軽い脱水を起こしている可能性があります。

もし頭痛が起きたら、試しにペットボトル1本(500ミリリットル)程度の水や麦茶を飲んでみてください。一番のおすすめは経口補水液です。

経口補水液 オーエスワン

経口補水液は水分が体に吸収されやすくなるよう糖分・ミネラル類などの成分が調整されています。

補水液には500ミリリットル1本につき、糖質が9.0グラム含まれています。しかしこれは糖質制限ダイエットをしていても最低限必要な量とみなして考えるべきです。

水分は生命の維持に欠かせませんからこの糖質に対して目くじらを立てて拒否するのは間違っています。

また、この少しの糖質は低血糖が原因の頭痛であった場合、症状を緩和する働きもあります。

ほかにも頭痛はストレスでも起こりやすくなります。糖質制限食をすることでストレスを感じていれば、頭痛が頻繁に起こったり、痛みが強くなることがあります。

糖質制限食で頭痛がひどくなる原因をいくつかご紹介しました。原因は1つではなく複合的に起こっているかもしれません。

心当たりをさぐって解消していきましょう!

編集後記

2週間、突然メルマガをお休みしました。というのも娘がウイルス性胃腸炎にかかり、家族全員が感染して家庭内パンデミック状態だったのです。

深夜に娘が突然の嘔吐。夜間診療所も終わった時間だっただめに、なすすべもなく。なんと15分おき、24回も嘔吐していました。翌朝受診したところ「お母さんは絶対にうつるから、お母さん用に余分に薬を処方しておきます」と神様のような対応!

感激しました。看病する私がすぐ倒れては立ちゆかなくなりますからね!

落ち着いたものの夜になってその医師から電話があり、様子を話すと「近くの大学病院で診てもらったほうが良いので紹介状をとりにきてください」と、またも神様対応。

私は処方してもらった薬のおかげで翌日まで持ちこたえることができましたが、やはり感染して大変でした。

それにしてもこの医師は忙しい中にここまで心を尽くして下さって驚きとともに心から感謝しました。

私もここまで行き届いた栄養アドバイスができるようにならないといけないな、と気持ちを新たにした次第です。

今はスッキリと元気ですが、これからの時期はノロウイルスやインフルエンザが流行しますので、皆様ご自愛ください。