こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。
今回も、メルマガ「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!
雑誌「SPUR」にて「今から始める花粉症対策」として掲載された記念に、食品でのアプローチを紹介してきました。
今回は最終回で「花粉症対策でおすすめのお茶」です。
花粉症研究の第一人者である日本医科大学耳鼻咽喉科学講座主任教授大久保公裕先生と共に解説しています。
コンビニやネット書店にわずかに残っている程度です。大久保先生のお話もわかりやすいのでぜひお読み下さい。かわいい付録つきです。
花粉症対策の食品は数多く出回っています。健康食品・サプリメントなどは数が多くて追いかけきれないほどです。
花粉症は免疫システムの崩れから起きる症状とされています。そこで免疫力アップをイメージさせる健康食品やサプリメント類に花粉症に効果的なキャッチフレーズがついています。
食品なので医薬品のように明確に「花粉症に効く」とは表記できません。ですが、「鼻スッキリ」などイメージとして伝わるようにネーミングされています。
私は花粉症の食事対策の本を刊行しています。『花粉症からあなたを守る食事学』免疫力アップのメニューと症状をやわらげる癒しのメニュー
ですから、常に関連食品をウォッチしています。総合しての評価は「的外れな成分を使っているわけではないけれど、だからといって効果があるかは全くもって疑問」
というところです。
乳酸菌以外でよくブレンドされている成分にα(アルファ)-リノレン酸があります。
アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなど免疫システムが乱れているアレルギー症状を起こす人に効果があるとされている成分です。
しかし、この成分は体内のリノール酸などの別の種類の脂肪酸とバランスをとりあって体に作用しています。
しかも、日本人の食事摂取基準という日本人の食事内容の栄養バランスを決めている物差しでは1日○グラム取るようにしましょう、という基準がありません。
リノール酸などとの摂取バランスの比率が決められているだけです。
リノール酸はサフラワー油、ごま油、バター肉の脂身などに多く含まれています。
もちろんリノール酸も体に必要な成分なのですし食品として肉類を食べないわけにはいけません。ですが、自分がどの程度リノール酸を食べているかを把握するのは絶望的に無理です。
そんな状況で、必要なα(アルファ)-リノレン酸の量が解るワケがありません。
個人の食生活に大きく左右される成分量をサプリメントでとってもその過不足は解りません。
もちろんパッケージに表記されている量は、ハッキリいって「適当」です。飲み過ぎて危険にならない程度の範囲なのでどちらかというと少なめの量。
しかも即効性がないうえに、乳酸菌のサプリメントよりはるかに効果がわからないのです。
α(アルファ)-リノレン酸は、しそ油、えごま油、あまに油に多く含まれています。この3つは特殊な油なので、手頃な油ならキャノーラ(菜種)油がリノール酸が多すぎず、α(アルファ)-リノレン酸も多めなのでおすすめです。
熱に弱い成分なので、炒め油などにせずドレッシングを作るときの材料として使うのが効果的です。
ドレッシングで食べるなら自然に野菜を食べることになります。野菜類のポリフェノールや緑黄色野菜に多いベータカロテンも花粉症対策に貢献する成分です。
食品として食べたほうが、ほかの効果的な成分も同時に摂取できます。なので、サプリメントよりも食品で食べたほうがメリットは大きいですね。
なので、サプリメントや健康食品の成分としては悪くはありませんが、摂取方法としは期待薄です。
花粉症対策の健康食品やサプリメントいついてはα(アルファ)-リノレン酸の例のように、栄養成分としては吟味されていても「役に立たない」ばかり、というのが本音です。*乳酸菌など腸内環境に役立つ善玉菌を除く
そんな中で唯一医学的な研究が進んで一定の効果を出している食品があります。
それは【べにふうき茶】です。
べにふうき緑茶の研究情報(国立独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
リンク先にはわかりやすい解説と効果的な飲み方が紹介されています。
要約すると、べにふうき茶に豊富に含まれる「メチル化カテキン」が抗アレルギー作用を示しているのです。
花粉の飛散1.5ヶ月前からの引用が効果的。つまり、12月ぐらいからは飲み始めてみるのが良さそうだと研究データが示唆しています。
また、緑茶なのでカフェインが含まれています。ですがカフェインは花粉症の症状を悪化させます。そこで、カフェインを低減化した商品も発売されているので試すならこのタイプがおすすめです。
花粉症対策として必要な成分が明確にわかっているのならその成分だけをサプリメントにして取ってはどうなのか?と考えてしまいますよね。
しかし、残念ながらサプリメントとしてメチル化カテキンをとった場合では効果が実証されていないのです。
べにふうき茶の中にはメチル化カテキンのほか渋み成分のタンニンといったポリフェノールなど様々な成分が混じり合っています。
もしかするとお茶に含まれるほかの成分と一緒にとる(飲む)ことで効果を発揮する可能性があるのです。
ですから、手堅く対策をするなら「お茶として飲む」のが一番です。
べにふうき茶はおすすめではありますが、万能選手ではありません。
というのも、免疫能力を高めるには
★免疫細胞の材料としてのたんぱく質
★栄養のバランスがとれた食事
★NG食材、食品
などがあるからです。
これらについては以下の動画で詳しく解説しています。ぜひご覧になってください。
辛い症状の軽くする食事のコツ、楽になる食品や食べ方が目で見て解る症状を軽くするレシピや免疫力チェックシートの特典付き
いまから始める花粉症対策にバッチリです!