こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。
今回も、メルマガ「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!
今号はスペシャル版としてツイッター上で話題になっている花粉症対策について解説していきます。
ツイッター上では花粉症の話題がかなり盛り上がっています。
それを読んでいくと、花粉症と食生活や日常生活について研究を重ねている私から見て、
「それはこじつけ」とか
「それは体験談風の売り込み」
「ストレートに売り込み」
「それはアリエナイから」
とうものが、かなりありました。
ユニークな体験談として画面のこちらで笑ったのが
「花粉症は砂糖アレルギーなので(略)ガムシロップは最悪、コーラ、アイスも(略)」
というものでした。
花粉症は花粉に対するアレルギーなのですがいつのまにか砂糖アレルギーにすり替わっています。そもそも砂糖アレルギーそのものがあり得ません。
アレルギーはタンパク質に反応するもので、花粉には含まれています。
しかし、99%炭水化物(糖質)の砂糖でアレルギー反応が起きるわけがありません。
とかく砂糖は何かにつけて悪者にされやすいですね。
確かに肥満や虫歯の原因にはなりますが、砂糖を目の敵にして悪者とする人が多いのに塩はあまり言われません。
声高に塩を悪者にして大騒ぎしているのは栄養士と高血圧学会や糖尿病学会の医師達ぐらいかもしれません。
砂糖悪者説は、正しい知識がないから奇妙な情報に振り回されるわけです。
花粉症も正しい知識を持っておくのが、症状を軽くするための近道。そこで花粉症対策のための食事習慣セミナー(動画)があります。
ここでは、花粉症と甘い物との関わりは根拠がはっきりしないものの少なからずあるようなので解説をしています。
甘い物は食べたい・お菓子大好きでやめられない!
あるいは
訪問先で甘い物を出されるので食べないわけにはいかないときにどうします??
甘い物ならどの程度ならOKなのかも実物のケーキやお菓子を使って解説しています。
もう1つツイッター上で「頑張った賞」をあげたいな、と思ったのが
「シソの葉に含まれるロズマリン酸に花粉症を抑える効果があるようです。***(店名)のシソご飯には8枚のシソが含まれています」
という趣旨のツイート。刻んだ青シソがたっぷりと混ぜ込んである写真が添付されています。
たしかにシソにはロズマリン酸が豊富です。
そこで、“独立行政法人健康・栄養研究所の「健康食品」の・安全性・有効性情報“で調べてみると
***引用ここから***
(シソの)葉はカフェ-タンニン系のロズマリン酸 (rosmaric acid) を多量に含む。
俗に、「アトピー性皮膚炎や花粉症によい」「腎臓によい」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが十分ではない。
***引用ここまで***
データ不十分の解釈はいくつかありますが、おおきくわけて
1)動物実験では研究が進んでいるが、人間での研究はまだまだ。(動物実験で良い効果が認められたとしても人間とは遺伝子構造が違うので、その結果をそのまま人間には適用できません)
2)実際に人間で研究は進んでいるが研究論文の数が少ない。
3)人間での研究結果の結果そのものに賛否が分かれている。
ということが考えられます。
なので、どちらにせよ、現段階ではロズマリン酸が花粉症に良い効果があるとは言えないのです。
そして、上記ツイートで惜しいのは、ロズマリン酸は【赤】シソに豊富ということです。青シソにも含まれているので全く意味がないわけではありません。
アイディアとしては悪くないけど惜しかったですね。
さて、「こんなことがネット上で話題になっているけれど本当なの?」というような質問がみなさんにもあると思います。
そこで、代表的な疑問にお答えしているのが『花粉症対策のための食事習慣セミナー』(動画)です。
特に、今や花粉症対策といえばコレといわれるような定番のお茶類への【もっともらしい話】ついて、厚生労働省の調査結果や発表をもとに詳しく調べて解説していますので花粉症対策にお茶や食生活に気を配っている人にお勧めです。
花粉症対策は、めがねやマスクといった「花粉が体内に入ってこないように遮断する」という方法をとっている人が本当に多いです。
しかし、その努力が報われるようにするには人間が内側からもっている免疫システムを立て直すのが効果的なのです。
そのためには食生活を見直し、間違った情報に振り回されないようにしていきましょうね。