ダイエットクラスブログ

花粉症と乳酸菌の関係

2016年03月14日

こんにちは! 管理栄養士の菊池真由子です。

今回も、メルマガ「あしたの健康」をお読みいただきありがとうございます!

今号は、シーズンに突入した花粉症について解説していきます。

今年こそ花粉症が治った!と考えていませんか?しかし、それは【勘違い】。

例年に比べて花粉の量が少ないから症状が出なかったり、軽いだけなのです。

そして、スギ花粉のあとはヒノキ花粉と花粉の飛散には4月上旬まで気が抜けません。

そこで、花粉の種類に関係なく、花粉症対策のための食事習慣セミナーを動画でご用意しました。

今日、まさに鼻をかみながら読んでくださっている人でも十分間に合う情報が満載です。

特に重点をおいているのが【症状を軽くする】ことです。

少しでも、【不快な症状を楽にするための食事】について丁寧に解説してあります。

みなさんの関心が高い健康食品やサプリメントについてもお答えしています。

ところで、花粉症対策として特定の乳酸菌が話題ですね。私のもとにも、「この乳酸菌のドリンクは良いんですか?」と質問が寄せられています。(この答えに関してもセミナー動画でお答えしています)

乳酸菌にも様々な種類があり、ここ2~3年、特定の乳酸菌に注目した商品が急増しています。

そこで、今号では、「花粉症」にとってどの乳酸菌が効果的なのかを調べてみました。

まず、とっかかりとして考えたのが平成27年4月から始まった「機能性表示食品制度」です。

機能製表示食品とは(消費庁より)

***ここから***

(略)
平成27年4月に、新しく「機能性表示食品」制度がはじまりました。「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)という食品の機能性を表示することができる食品です。

●安全性の確保を前提とし、科学的根拠に基づいた機能性が、事業者の責任において表示されるものです。

***ここまで***

つまり、機能製食品が特定保健用食品(トクホ)と決定的に違うのは、トクホは国が効果を審査しているのに対して機能性食品は国が審査していないのです。

あくまで、メーカーの独自調査による研究結果に基づいて効果を表示しています。

事業者というのは、今回のテーマでいうと、特定の乳酸菌をネーミングしたヨーグルトや乳酸菌飲料を製造販売しているメーカーです。

トクホの審査は国が行うためにかなり厳格で、認可を得るには億単位の資金が必要なケースもあります。

すると、そこまで投資をして製品の売り上げに効果があるのか、また、そこまでの金額が投資できるのか、という問題がでてきます。

品質が良好な商品を製造していても、特保申請のための資金の問題でトクホ申請を見送っている食品メーカーも少なくありません。

しかし機能性食品はメーカーの独自研究結果に基づいたものなので、研究費用は格安に抑えることができます。

そこで、この機能性食品制度を使って花粉症の改善などのデータをとって機能性食品として販売されている乳酸菌があるのかを調べてみると、制度の意外な厳しさが浮き上がってきました。

それは、今回の機能性表示制度は、健康な人が活用することを前提としているために、病気(花粉症)の予防や疾病(花粉症)の改善を意味する表現は使えない、ということなのです。

やはり国としてはメーカーの独自研究調査結果だけでは病気に関わることは見過ごせない、という「国としての国民を健康被害から守る」という態度をとっています。

このため、仮に花粉症が改善したというヒトの試験結果があっても、その成果は機能性食品表示には使えないのです。

ということから、花粉症に対する機能性食品は存在しないということで、個別に調べてみました。

そこで浮かび上がってきたのが特別な名前がついた乳酸菌であろうと、従来からあった一般的な乳酸菌であろうが、ヨーグルトや乳酸菌飲料に、どれもこれも、「免疫を司る腸内環境を良くして花粉症対策となる」というような意味のほぼ共通した表現をしていることです。

これですと、乳酸菌のなかでも特別な種類の乳酸菌でなくても従来の「乳酸菌」とひとくくりにされていたものと効果の表現は変わりません。

さらに詳しく調べると、メーカーによっては研究者とタイアップして花粉症患者の症状緩和についてWEB上でデータを公表している商品がありました。

しかし、これらはきちんとした研究結果に見えますが、これには落とし穴があるのです。

1つめは、その研究者が該当する特定の乳酸菌を専門に研究しているから、推薦していて当たり前である可能性。

2つめは、産学共同研究の名の下、メーカーが該当する乳酸菌の研究に研究費を寄付などしていて、有利な研究結果を引き出している可能性。(研究者にとって、企業がスポンサーになるので企業に対して都合の良い結果を出してしまう可能性がある)

3つめは、1研究者のデータだけでは医学的に良い効果があったとは科学的に認められない。無関係な研究者が同じスタイルで研究調査をし、類似した結果が出るかどうかを検証しなければ、誰にでも良い効果があるとは医学的に断言できない。もしかすると、第三者の立場である複数の研究者が同じ調査をすると「特に効果はなかった」という結果になる可能性がある。

4つめは、花粉症の症状が重い人ばかりを研究対象者として集めて、調査している可能性。症状が重い人は、すでに良い効果がでるとされている乳酸菌全般でも日頃の食生活に追加されると効果が出やすい。

という、疑えばキリがない条件をクリアしたものが、はじめて「医学的(科学的)に根拠があり、花粉症に効果がある」と断言できるのです。

それぐらい、医学・科学は厳しいのです。

私自身、いつもメルマガで特定の成分を紹介するときは、世界中の健康食品やサプリメントについて科学的根拠に基づいて調べてある、世界標準基準の『ナチュラルメディシン・データベース健康食品・サプリメント(成分)のすべて』日本医師会、日本薬剤師会、日本歯科医師会 監修と、“独立行政法人健康・栄養研究所の「健康食品」の・安全性・有効性情報“、この2つから確認をとった成分を紹介しています。(情報が否定的な場合や確認できなかった場合は、“なかった”ともお知らせしています)

なので、個別の商品についてはこのメルマガで記事を書くに当たっては調べていますが、あくまでも、医学的・科学的根拠に基づき、どんな成分でも公正・中立な立場をとっています。ですから商品名は紹介していないのです。

そこまで私自身が厳しい目で持って制作したのが、

花粉症対策のための食事習慣セミナー』(動画)です。

このセミナーでは意外に知られていない【症状を悪化させてしまう】食生活についても解説しています。

いろんな花粉症対策をしたけれど、効果が実感できなかった人におすすめです。