小学校の給食試食会

先日娘の通う小学校の給食試食会があり、参加してみました。
娘は給食が大好きで、好き嫌い無くお替わりまでして食べています。実際どのようなものを食べているのか興味がありましたし、学校栄養士による給食作りの現場解説があるとのことで即申し込みました(参加は任意なのです)。

また学校栄養士の話はどんなものか興味津々でした。 知らない人が多いと思いますが、栄養士にも専門があり、同じ資格を持っていても得意分野が異なるのです。医師の「眼科」「耳鼻科」みたいなものを連想してもらうとわかりやすいです。

栄養士でも自分の専門分野以外のことはほとんど手出しできないぐらい特化されています。私も専門外の「腎臓病」やら「保育園の給食様献立作成(集団給食)づくり」など、出来ません。調べどころは解っているので、追い込まれてやるように言われたら勉強しますけれど、とっさには出来ないぐらいのレベルです。なので、私の専門外である学校給食栄養士の話は興味があったのです。

この日の献立は キムチチャーハンと冬瓜スープ、レバーの香り挙げ(写真では黒い塊)でした。小学生ぐらいだと、わさびとか唐辛子の辛さが苦手なので、試食してどの程度の辛みなら喜んで食べられるのかが解ったのは大きな収穫でした。また全体的な味付けがきちんと「薄味でも美味しい」ように仕上げてあり、献立制作者の腕を感じました。

説明によると、給食調理の現場が外注の給食業者が調理し、献立は区の栄養士(管理栄養士?)による標準献立があり、それにそって作るものの、時折学校栄養士がいる小学校ではその栄養士によるアレンジがあり、一部を別メニューにすることがあるそうです。なるほど、創立記念日とか学校オリジナルのイベント日などはこういう余裕があったほうがいいし、四角四面じゃない運用が良いな、と感じました。

それにしても。

給食調理の現場に驚愕。なんと、私が学生時代に学んだ時と変わらない調理施設と調理方法という流れだったのです。私の学生時代なんて、かるく20年は前ですよ。そこから全く進歩がないってどういうことなん非常に驚きました。なんというローテク!時代が止まってるのかと思いました。

変化があったのは、給食調理の外注化、アレルギー食への対応と食材としてのレバーの導入ぐらいです。これは非常に重要で大きな変化なので特筆すべきことですが、基本的な部分が化石状態でビックリしました。 同じ給食でも病院給食はかなり進化しています。適温給食という名称で、ご飯や汁物は暖かく、酢の物などは冷たく、と家庭のような温度で提供されています。これは食中毒防止管理技術のほかにホットワゴンなどハードの部分がかなり新しい設備が開発、導入されています。

それはさておき。学校栄養士が最も神経を使うのが食中毒の発生をさせないということです。万が一発生させてしまうと、一気に何百人と食中毒を起こしてしまいます。食中毒菌の種類や菌の量によっては入院騒ぎになりますので、細心の注意を払います。 にもかかわらず、食中毒菌の温床のレバーを使っていたのは驚きました。レバーを調理したことがある人は想像しやすいでしょうが、血抜き作業が必須です。この血に食中毒菌がわんさかいるので、給食施設で取り扱うと衛生面で大惨事を起こしかねません。そこで質問すると

「血抜き済みレバーを導入しています」

ということでした。

なるほど、そういうのは私が学生時代には無かった代物なので、進歩というところでしょうか。これって給食調理の進歩っつうより外食産業の進歩だしなあ~と思いつつ、学校給食の良さは20年前よりぐんと評価が上がっています。

なけなしの施設(ハード)の状態で学校栄養士の奮闘がしみじみわかり、感服して帰ってきました。ほんと凄い。