ジョエル・ロブション 天使のミルフィーユはフランス菓子の最高峰

東京日本橋高島屋に、ジュエル・ロブションのティールームがあります。
ロブションは料理界では超有名人のフランス料理のシェフです。たぶん彼のレストランには世界中からお弟子さんが集まっていると思います(フランス人のお弟子さんより外国人のほうが多いんじゃないかな)

なんでそんなに有名なのかと、バターばかり使っていたフランス料理にオリーブ油を使ってこれまでにない美味しいフランス料理を確立させた偉人なのです。

そんなスゴイ人のレストランは恵比寿にあるのですが、予約は3ヶ月待ちだし、何しろ高級で行けません。

しかし。ティールームなら行けるので、ロブションスペシャルの【天使のミルフィーユ】を食べてきました。

通常のミルフィーユだと薄く焼いたパイ生地で苺と生クリームをサンドしてあるのですが、パイ生地変わりに謎の素材。

カリカリパリパリしていて美味しいのですが、全くなにで出来ているか解らない!
細さと固さは「戻す前の春雨」に似てないこともないのですが、黄色い。黄色いからクレープの細切り?と思わないのでもないのだけれど、それにしては細すぎる。
揚げてあるだけしかわからない、不思議な食感。

この謎の食材。なんと「カダイフ」というトルコのお菓子をパイ生地にしたものでした。カダイフは小麦粉とトウモロコシが主成分の糸状の生地をケーキに巻きオーブンで焼いたトルコ南東部で特に有名な伝統的なお菓子。

実際にカダイフを食べたことがある人によると、案外甘く味付けしてあり、わたあめっぽいとか。

なぞのパイ生地はカダイフをセルクルで丸くかたどって揚げてあったのです。本来のカダイフは甘く味付けるところを、あえて砂糖を使わないのが斬新。ミルフィーユのパイ生地は砂糖をまぶしてカリッと薄く焼くのが定番ですから、カダイフでふわっとしながらカリッとした食感を演出しているわけです。

世界中の食材をアレンジして流行を作り出すというポリシーがひしひしとつたわってきます!

代わりに生クリームの部分が甘くて、高さを出すために少しバタークリームが入っているような味。

見た目は繊細なのですが、食べれば案外力強い味でびっくり。
洋菓子のトレンドはここ20年ぐらい生クリームも植物性を使ってどんどん軽い味になってきているのに、これは動物性の重い味が感じられます。

甘すぎず、濃いめの味が苺で後味がスッキリするというものでした。

フランスに行ったことがないのですが、本当のフランス菓子ってこんなんじゃないかな、と感銘した逸品でした。

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