みのもんた氏の責任はどこまであるのか?
『訴えられた司会者みのもんたさん 「テレビ番組」信じて健康を害したら、誰の責任?』
記事引用
タレントのみのもんたさんが司会を務めるテレビ番組のすすめにしたがい、水分摂取を続けていたら体調が悪化したとして、80代の女性が、みのさんを訴えた。
栄養指導や相談の仕事に従事をしてはやウン十年ですが、常に頭を悩ますのが、マスコミの健康情報による「ガセネタ」です。ウソはもちろんいけませんが、ウソでなくても一部を過剰に高評価をして、私たちからするとガセネタの領域に入っているような話が本当に多い。
たしかに みのもんた氏が司会をしていた「おもいっきりテレビ」では、健康に関する1つの事実、あるいは1つの事柄を大げさにおもしろおかしく解説していました。
あのわかりやすさは栄養指導をするものとしては学ぶべきところは多数あることは認めます。しかし、例えば1つの食材(あるいは栄養素)についてことさら大げさに解説することで、全身の健康を見渡しての視点がごっそりと抜けていたのは確かです。
これを信じ込んでいて「なんかヘン」と気づいて(体調であるとか、冷静に考えてみてとか、ヘンと気づく理由はそれぞれ)相談に来られます。しかし、情報源(マスコミの健康情報)が多すぎて、こっちでその中身を検証して「ここで誤解を生んだんだな」「これが不安を扇情しているんだな」とさかのぼって把握しきれません。
しょうがないんで、本人に「その話はどこで聞いた(見た)のですか?」と聞くことにしています。3代巨頭のうちの1つがすでに放送終了している「おもいっきりテレビ」。ちなみに残り2つは、「ためしてガッテン」と「あるある大辞典(放送終了)」です。
司会者である、みのもんた氏の語り口調とあいまって「おもいっきりテレビ」で取り上げられた食材は、即日完売するという社会現象まで起きる勢いでした。
私も時々ウォッチしていましたけれど、同番組に対する批判も出るにつれて、みの氏も笑いを誘うような表現で注意喚起を入れてはいました。ですが、私からすると批判をかわす程度の注意喚起レベルで視聴者に届くものではないなあと感じてしました。
そして今回、その司会者であったみのもんた氏が健康被害を招いた原因を作ったとして訴えられたのです。
ただ、日本ってのは消費者教育がものすごく遅れているんじゃないかとも思うんです。今回の原告の方は高齢ということもあって、そういう概念がないころに学校を卒業されている(あるいは中退)されているのではないかと推測できますが、理科といった科目でもいいんですけれど、TVでおもしろおかしく取り上げられているから科学的に考えて問題がないのかという判断をする知識能力のレベルが低いように思えてなりません。
裁判の行方に関してはもちろん興味はありますが、重要なのは、マスコミ側は【1回の放送で、その内容を信じて年単位で実践している人がいる】ということを知って重く受け止めることではないでしょうか。