健康食品の新しい販売戦略が始まります
『健康食品の機能表示可能に 新制度始まる』
記事引用
(2015年4月)1日から、一定の科学的な根拠のある健康食品には企業の責任で機能の表示を認める新しい制度を始めます。
企業は、論文などで有効性などを証明できれば、販売を開始する60日前に消費者庁に届け出るだけで、「目の健康を維持する」とか、「丈夫な骨をつくる」など、商品のパッケージに体の部位を示して機能を表示することができます。
食品に対して「企業による責任で健康に対する良い効果を表示できるようになる制度」が始まるとのこと。
私はこの制度、真っ向から反対なのですが、あくまで個人的な見解なので、始まった制度はどうしょうもないですね。
企業の倫理観にたよるだけの制度なので、「研究者に多額の研究費を支払って都合の良い論文や研究結果をつくりだす」ようなことが起きそうで、本気でうんざりです。まっとうな研究をして効果をはっきり明言できる企業と、適当に研究者に助成金を出して強引に効果を表示してくる業者が肩を並べる将来が想像できてしまいます。正直者が馬鹿をみる、みたいなことにはならないようになって欲しいです。
研究者と企業がタイアップすることが悪いこととは思いません。ですが、データには正直に向かい合って欲しいものです。
これまで、強引に企業側にとって良い解釈だけする研究発表というとは表だってないだけで(事件になったものもありますが)、ないわけではないのです。一度、そうとは知らずにそういう研究結果のセミナーに参加したことがあります。私も「これはおかしい」と質疑応答時間を待っていたいたところ、ほかの出席者から結果に対しての激しい糾弾が連続して、登壇していた研究者が慌てるということもありました。
トクホ(特定保健用食品)のように第三者機関による安全審査などがないので、企業倫理に頼るのみ、というのは制度として悪用されても誰も罰則できないと思うのです。悪質なケースが出た場合、マスコミなどで大々的に報道されて社会的制裁をくらうとか、そういうことにしか期待できないってのもどうかなあと思います。
一方、これまでトクホの取得には数千万から億単位のお金がかかると聞いています。なので、自社では「トクホに匹敵する」としながらも、根本的にその費用が企業として出せない、対費用効果が薄い見込み、といった商品には日の目が当たることになります。
実際動き出さないと何とも言えないのですが、トラブルの多い健康食品に関して嫌な予感しかしません。